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追加減税

第050_1号 1998年5月

1.はじめに

政府が発表した総合経済対策の中で、追加減税策が含まれています。去年の今頃は、消費税の税率アップや社会保険料のアップなど、世の中増税一色でしたが、今度は一転太っ腹の追加減税です。選挙があるからかどうか知りませんが、何ともいい加減なものです。

2.特別減税の追加・継続

<減税額は?>

1回目の特別減税は、本年2月の給与から実施しています。減税規模は2兆円で、減税額は次のとおりでした。

  所得税 住民税 合計
本人 18,000円 8,000円 26,000円
扶養1人 9,000円 4,000円 13,000円

第2弾は減税規模は同じく2兆円で、減税額は次のとおりです。

  所得税 住民税 合計
本人 20,000円 9,000円 29,000円
扶養1人 10,000円 4,500円 14,500円

前回よりチョット多めです。

<減税の方法>

減税の方法は前回とほとんど一緒です。

所得税

平成10年の8月の給料にかかる源泉税から減税分を徴収しないことにより手取額を多くして減税を実施します。

2月から実施している第1回目の減税の控除がまだ済んでいない場合は併行して1回目の減税の残りと、2回目の減税が行われます。

住民税

第1回目の減税と同時に2回目の減税も行われます。つまり、6月の住民税の給与天引きは行わず、7月以降の住民税の給与天引き額を減税分減らして天引きします。

給与天引きでなく、自分で住民税を払っている人は、1期分の納期を1ヶ月遅らせてその1期分から減税していき、引ききれない場合は2期以降の税額から減税する方式となります。

3.投資減税

中小事業者等を対象に機械設備又は特定の器具備品等を購入又はリースにより賃借した場合に、7%の税額控除又初年度30%の特別償却を認めるという制度です。

簡単に言うと、購入額の7%の減税か購入額の30%の減価償却(経費)を受けられるということです。

① 対象者

資本金1億円以下の法人(大規模会社の子会社などは除かれます)で、一部の職種を除いてほとんどの業種が該当します。

② 対象設備

  • 全ての機械及び装置
  • 9種類の器具備品
    電子計算機、デジタル複写機、冷房・暖房用機器、メモリー送受信機能付普通紙ファックス、デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備、電子ファイル設備、マイクロファイルシステム、ICカード利用設備
  • 普通貨物自動車(8トン以上)

③ 適用期間

平成10年6月1日から1年間

④ 取得価額

  • 機械装置は1設備230万円以上(リースは300万円以上)
  • 器具備品は1設備又は同一種類の複数設備の合計が100万円以上(リースは140万円以上)
     → 20万円のパソコン10台でもOK!

(税務研究会 週間税務通信 NO.2524 から)
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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