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不可解な課税

第246_2号 2014年11月

1.個人事業税

個人事業税とは、個人が営む事業のうち、法律で決められた事業(法定業種)に対してかかる税金で、現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

税率は、3%~5%で、事業主控除が290万円あり、所得が290万円以下であれば課税されません。

2.アップルストア

お客様から、「役所から個人事業税に関するお尋ねのような文書が来て、それに回答を記入して返送したら突然、課税通知書が来た」との連絡がありました。

当事務所で役所に連絡を入れたところ「法定業種の請負業に該当するので課税しました」との返答です。

お客様は個人でスマートフォン用のアプリを開発しています。請負業とは、当事者の一方が相手方に対し仕事の完成を約し、他方がこの仕事の完成に対して報酬を支払う業態です。建物の建築を請け負う工務店が典型例です。

お客様は、自分で商品となりそうなアプリを考案し、それをアップルストアで販売していますので、請負業には当たりません。

その旨を役所に告げると、今度は「アプリを開発してアップルストアで売る行為は法定業種の物品販売業に当たります」と言います。

初めは請負業で課税しておいて、今度は物品販売業で課税したと言います。あまりにひどい対応なので、事務所の担当者を役所に直接行かせました。

すると役所から帰ってきた担当者が憤慨してこう言います。「先週役所内で通達が出されて、このような業種はすべて法定業種の物品販売業で扱うこととなったので、お答えすることはありません」と言われましたと。

はるばる役所まで足を運んでこの対応です。まったく税金を払っている納税者をなんだと思っているんですかね?

現在、審査請求中です。納得できるまでやります。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修
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