医療法人の類型
医療法人には、個人や法人が財産を寄附することによって設立される「財団医療法人」と、自然人が社員となることにより設立される「社団医療法人」の大きく2つの類型があります。
さらに、社団医療法人には社員が医療法人に対して出資持分の払戻請求権を持っている「持分の定めのある医療法人」と、払戻請求権のない「持分の定めのない医療法人」があります。
医療法の改正により、平成19年4月1日以降は「持分の定めのある医療法人」を設立することができなくなりましたので、以下では、今後一般的に利用されると予想される、「持分の定めのない社団医療法人」のうち、「基金拠出型法人」の設立手続を前提に説明をしていきます。

- 持分の定めのある法人は、平成19年4月1日以降新たに設立することはできません。
- その他、社団医療法人・財団医療法人とも社会医療法人、特定医療法人、特別医療法人(平成24年3月廃止予定)といった類型があります。
医療法人設立のメリット・デメリット
医療法人を設立するメリット・デメリットは以下のとおりです。
- ●税率が低くなる
- 個人事業の場合の最高税率は、所得税と住民税を合わせると50%であるのに対し、法人化をすると法人税と地方税を合わせても最高で40%程度になります。
- ●給与所得控除を利用できる
- 個人事業の場合には、院長自身の「人件費」という概念が存在しませんが、法人化すれば、院長(役員)の人件費を「役員報酬」として、費用処理できます。
さらに、この役員報酬は院長自身の「給与所得」に該当し、支給額から「給与所得控除額」を差し引いた額に所得税と住民税が課税がされます。 - ●退職金の損金算入が可能になる
- 個人事業の場合には税法上、院長自身と生計を一にする親族に対する退職金の支払いは認められていませんが、法人化をすれば給与の支払いを受けている院長及びその家族に退職金を支払うことができ、法人として損金処理をすることができます。
- ●生命保険が便利に使える
- 個人事業の場合には、院長自身の生命保険料をいくら支払っても、所得控除で年金保険料を含めて最高10万円までしか控除されませんが、法人化をすれば、院長を被保険者として法人名義で契約をすることで、支払った保険料の半額を法人の損金として処理することができます。
- ●安定した事業継続ができる
- 個人事業の場合には、院長自身が亡くなってしまうと、即「廃業」となってしまいますが、法人の場合には院長(理事長)が亡くなっても、新たに理事長を選任すれば事業を継続することができます。
- ●記帳処理が厳格になる
- 法人化すると、個人事業のときに比べて、より厳格な会計処理を求められますので記帳に手間がかかるとともに、税理士の顧問が必要になります。
- ●法定福利費が増加する
- 個人事業のときの健康保険のみに加入していた場合には、法人化すると厚生年金への加入が強制となるので、そのぶん法定福利費の支出が増加します。
- ●交際費を全額費用にできない
- 個人事業の場合には、事業に関係のある交際費であれば、全額を必要経費にできましたが、法人化すると、全額を法人の損金にすることができず一定額は課税対象になってしまいます。
設立手続の流れ
医療法人を設立するまでの手続の流れは、各都道府県によって若干異なりますが、概ね下記のとおりです。

- * 当事務所で上記の手続を代行いたします。
- * 医療法人の設立説明会は通常年2回しか行われませんので、事前に医療法人を
設立する時期を決めて、逆算で設立の準備を進めていく必要があります。 - * 設立登記後の手続
- (保健所)
- 診療所開設許可申請
- 診療所開設届など
- (社会保険事務所)
- 保険医療機関指定申請など
- (税務署・都道府県税事務所)
- 事業開始届など
の手続が必要になります。
設立認可申請に必要な書類
主に次のような書類が必要になります。
- 医療法人設立認可申請書
- 定款
- 設立総会議事録
- 設立趣旨書
- 医療施設の概要書(周辺の概略図、建物平面図面)
- 事業計画書
- 予算書
- 不動産賃貸借契約書
- 財産目録(負債根拠書類、債務引継承認書など)
- リース契約書、リース引継承認書
- 社員・役員・従業者名簿
- 拠出申込書
- 預金残高証明書
- 理事長、管理者の医師免許証
- 実績表
- 確定申告書(2年分)
など
費用
| 手続費用 | 総額52万5000円(税込み) |
| 事前相談 | 30分 1万円(税込み) |
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