会社は従業員を雇用したら、次のことをしなければなりません。
これらは労働基準法などの法令で定められている重要な事項です。
労務に関する法整備をしていないと労働基準監督署の指導の対象になることがあります。
従業員を雇用したら労働条件を明示しなければならない
従業員を雇い入れるときには労働条件を明示しなければなりません。必ず書面で明示しなければならない事項があるので注意が必要です。
労働条件の認識の違いからトラブルになることが少なくありません。条件をキチンと決めておくことで、「言った言わない」の無用なトラブルを防ぎましょう。
就業規則を作成しなければならない
従業員が10人以上になったら、就業規則を労働基準監督署に届け出なければなりません。 職場を規律し、トラブルを防止するために、就業規則は必要不可欠なものです。例えば二重就業の禁止や秘密保持、社内情報の取扱い、それらに違反する者に対する懲戒処分等を定めることが重要です。従業員が10人未満でも、しっかりと就業規則をつくり、いざというときのために備えておきましょう。
労使協定を締結し、届け出なければならない
労使協定とは、会社と従業員が結ぶ協定のことです。労働基準法では、この「労使協定」を結ばなければならない場面が多くあります。主なものに、36協定や賃金の控除協定といったものがあります。
- 《 36協定(時間外及び休日労働協定) 》
- 労働基準法では、原則として、1日8時間、1週40時間を超えて働かせてはならないことになっています。これを法定労働時間といいます。この時間を超えて労働をさせるには、従業員との間に時間外労働休日労働に関する協定を結び、労働基準監督署へ届出なければなりません。これを怠り、従業員に法定労働時間を超える労働をさせたら違法となってしまいます。
- 《 賃金の控除協定 》
- 毎月の給与は、所得税や社会保険料を控除し、必ず全額を支払わなければなりません。会社によっては、「社宅費」や「購買代金」を給与から天引きしていることがあります。原則として、これらを給与から控除することはできません。もし、控除したいのであれば、従業員との間で協定を結ぶことが必要となります。こうすることで初めて、給与からそれらを控除することができるようになるのです。ちなみに、この協定は労働基準監督署へ届出る必要がありません。
- 《 労働者代表者は適正な方法で選出しなければならない 》
- 労使協定締結をする「労働者代表」は労働者の過半数を代表する者です。選出は挙手や投票などの適切な方法で行なわなければなりません。使用者が指名することはできません。
不適切な方法により選出された従業員代表との労使協定は無効となることがありますので、選任方法には十分気をつけなければなりません。 。
給与(賃金)を支払わなければならない
従業員が働いたら給与を支払わなければなりません。従業員が働いた時間については給与を全額支給することが必要です。また、支給は通貨が原則ですので、現物で給与を支給することはできません。
さらに、給与は本人に支払わなければなりませんので、本人以外の人に支払ってはなりません。
残業代(割増賃金)を支払わなければならない
法定労働時間を超える労働や休日労働(1週1日の休日の労働)、深夜労働(22時から5時までの労働)をさせた場合、会社は割増賃金を支払わなければなりません。
法定労働時間を超える労働や深夜労働には2割5分増し以上、休日労働には3割5分増し以上の割増賃金の支払いが必要になります。
割増賃金を毎月定額で支払うことができますが、「定額の割増賃金額」が「法律どおりの計算方法で算出した割増賃金額」を下回る場合は、その差額を支払わなければなりません。
割増賃金を支払わないサービス残業をさせると厳しく罰せられることがあります。
労働者名簿の作成を作成しなければならない
従業員を雇入れたら労働者名簿を作成しなければなりません。労働者名簿には氏名や生年月日、性別などを記載しなければなりません。
賃金台帳を作成しなければならない
従業員に賃金を支払う都度、賃金台帳に支払額などを記載しなければなりません。賃金台帳には氏名や性別、労働時間などを記載しなければなりません。
健康診断を実施しなければならない
会社は従業員を雇入れたときに健康診断を実施しなければなりません。また、1年に1回健康診断も実施しなければなりません。
健康診断は正社員だけでなく、パートにも受けさせることが必要です。労働時間が正社員の4分の3以上のパートには健康診断を受けさせなければなりません。
社会保険に加入させなければならない
従業員を雇入れたら社会保険に加入させなければなりません。パートやアルバイトは、労働時間と労働日数が正社員の4分の3以上の場合に社会保険に加入させなければなりません。
雇用保険に加入させなければならない
従業員を雇入れたら雇用保険に加入させなければなりません。パートやアルバイトは、週の労働時間が20時間以上で、かつ、1年以上勤務する予定がある場合に雇用保険に加入させなければなりません。



