週刊節税教室

離婚に伴う税金 その2

所得税・贈与税
第45号 2002/8/5

☆質問

『妻と離婚して、財産分与と慰謝料を支払うのですが、財産分与と慰謝料の違いはどのようなものですか?』

★回答

「財産分与」とは、離婚に際して夫婦生活で築いてきた夫婦の共有財産を2人で分け合うことをいいます

専業主婦の場合でも妻の取り分は30%~50%の範囲内で判例では認められています。

分与する財産は結婚後に夫婦の協力によって築いたものが対象で、親より相続した財産や贈与された財産は、基本的には財産分与の対象とはなりません。

一方「慰謝料」とは、浮気などで離婚原因を作った方が、精神的苦痛を受けた方に支払う損害賠償金です。

☆質問

『財産分与と慰謝料をもらう妻の税金の扱いは、どのようになりますか?』

★回答

もらう方は、財産分与と慰謝料としての相応額であれば税金は一切かかりません。

相応額を超える額や偽装離婚の場合には、妻に贈与税がかかります。

☆質問

『財産を妻にあげる私の税金はどのようになりますか?』

★回答

妻に支払う財産の種類により扱いは異なります。

どのような財産を支払いますか?

☆質問

『金銭と自宅です』

★回答

金銭を支払う場合には、税金の問題は生じません。

しかし、自宅を奥さんに与えると税金の問題が生じます。

自宅を奥さん名義に変えることが、「自宅の土地建物を時価で売った」と税務上はみなされるのです。

通常「売る」ということは、自宅を手放してその代わりに売却代金をもらうのですが、財産分与で妻に自宅を譲っても「売った」とみなされるのです。

売却代金ももらっていないのに、「売った」とされるのもかなわない話ですが、今の税法ではそうなのです。

☆質問

『「時価で売った」とみなされると言う意味がよく分かりません』

★回答

自宅を買った金額が2千万円で現在の時価が3千万円だとすると、2千万円のものを3千万円で売ったとして、差額の1千万円が売却益となります。

そして、売却益には当然所得税・住民税がかかります。

反対に現在の時価が1千5百万円とすると、2千万円で買ったものを1千5百万円で売ったことになり、差額の5百万円が売却損となります。

売却損・売却益の税金の扱いは次回説明します。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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