週刊節税教室

創業者と最低資本金特例

消費税、その他
第72号 2003/2/24

☆質問

『第72号で個人事業主が最低資本金特例を使って法人成りすることを説明してもら

いました。

しかし聞くところによると、個人事業主は最低資本金特例の創業者に該当しないた

め、この特例を用いて資本金1円の法人を作ることはできないとのことですが、いか

がですか?』

★回答

確かにそのとおりです。

第72号では、その点の説明がなく誤解を与えましたことをお詫びいたします。

スミマセン!

そのお詫びのしるしという訳ではありませんが、個人事業主でも最低資本金特例

を使って資本金1円の会社を作れる方法を考えてみます。

☆質問

『どんな考えがありますか?』

★回答

最低資本金特例の創業者には給与所得者、主婦、学生、年金生活者などの個人

事業を営んでいない個人が該当します。

そこで個人事業者の配偶者を創業者として資本金1円の会社を作ることです。

☆質問

『個人事業者の配偶者を創業者として株式会社を作って、個人事業者はどうする

のですか?』

★回答

個人事業者の配偶者は創業者としてかつ取締役となります。

個人事業者は配偶者とともに出資して株主となり、かつ代表取締役となります。

表向きは個人事業者の会社ということになり、個人事業主が作った会社と何ら変

わりません。

☆質問

『なるほど。個人事業主でもそうすれば最低資本金特例を使って資本金1円の株

式会社のオーナーであり、かつ代表取締役になれるのですね?』

★回答

そのとおりです。

配偶者が会社の取締役として参加することにより、配偶者に対しても会社運営に

対する貢献度に応じて役員報酬を支払うことができます。

そうすれば、役員報酬は法人税では経費となり、所得税・住民税では所得が分散

されることにより、代表者1人が報酬をもらう場合より節税になります。

☆質問

『なるほど。一石三鳥くらいになりますね。』

★回答

そうです。個人事業主であるから資本金1円の株式会社を作れないなんて、諦めて

はいけません。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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