週刊節税教室

工事進行基準の適用(1)

法人税
第333号 2008/7/17

☆質問

「平成20年度の税制改正で、建設工事やソフトウェア開発にかかる売上

の計上の仕方に関して改正があったと聞いたのですが、どのような改正

なのですか?」

★回答

「建設工事業における売上の計上基準として、工事が完成した時点で売

上と原価を計上する工事完成基準が一般的です」

「これに対して、工事期間が長期にわたる物件について、工事が完成する

以前の決算時に、工事の進行度合いに応じて売上と原価を計上する工事

進行基準というものがあります」

☆質問

「完成時点で売上を計上する方法と、完成前の決算日時点で工事の進行

度合いに応じて売上を計上する方法があるということですね?」

★回答

「そのとおりです」

「この工事進行基準に対して改正がありました」

☆質問

「どのような改正ですか?」

★回答

「まず、工事進行基準の対象にソフトウェアの開発が加えられました」

☆質問

「ソフトウェアの開発も、建設工事と同様に製作期間が長いのが通常です

からね?」

★回答

「そうです」

「工事進行基準は、長期大規模工事については強制適用され、それ以外

の工事(工事を着手した事業年度に完成引渡しされないものに限ります)

については任意で適用できます」

☆質問

「長期大規模工事とはどのような工事ですか?」

★回答

「工事期間が1年以上で、請負金額が10億円以上の工事となります」

☆質問

「ソフトウエアの開発も、工事を製作と読み替えて同様に適用されるのです

よね?」

★回答

「そのとおりです」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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