週刊なるほど!消費税

国内/国外取引(8)

第33号 2003/07/14

【先生】

 前回は情報の提供・設計についてでした。原則はその情報提供・

設計にかかる事務所等の所在地ですが、注意すべき点がありまし

たね?

【生徒】

 日本に支店や営業所がないかどうかです。

【先生】

 そうです。その場合には国内取引とされることがあるので、気を

つけないといけません。

 では今回ですが、まずは「利子」について見ていきましょう。

【生徒】

 利子っていうと預金につく・・というか最近は全然つかないですけ

ど・・・利息のことですか?

【先生】

 そうです。他にも貸付金や国債・社債の利子、手形を銀行などで

割引いてもらう際の割引料も利子に含まれます。

 この利子に係るものの内外判定はどうなるでしょうか?

【生徒】

 うーん・・・貸付とか預金とかによって取扱いが違ったりするんです

か?

【先生】

 いえ、利子の場合には全てその貸付等を行う者のその貸付等に

係る事務所等の所在地で判断します。

【生徒】

 具体的にはどうなります?

【先生】

 例えば日本の会社が外国の会社にお金を貸して利息を受け取り

ました。この利息の受け取りの内外判定は、貸付を行った者の事

業所で判断するということですので、貸した側は日本の会社です

から国内取引となります。

 逆に日本の会社が外国の会社からお金を借りて利息を支払い

ました。貸付を行ったのは外国の会社ですから、利息の支払いは

国外取引となります。

【生徒】

 だと貸付や預金をしたのが日本の事業者なら、国内取引になる

ということですか?

【先生】

 そうです。

 最近は外貨預金が流行っていますが、日本の会社が海外の銀

行へ預金をし、利息を受け取りましたという場合には、預金をして

いるのは日本の会社ですので、国内取引となります。

【生徒】

 一見すると国外の取引みたいですけど・・・間違えないように気を

つけないといけないですね。

【先生】

 ちょっと難しいところですが、これは後々「課税売上割合の計算」

というところでも出てきますので覚えておきましょう。

 では次に「その他の取引」について見ていきます。

【生徒】

 その他?

【先生】

 内外判定では原則があり、一定の資産についてはその特例が

設けられていますが、その原則・特例のどれにも当てはまらない

ものが「その他」です。

 まずは資産の譲渡・貸付の場合で、特例に挙げられている資産

以外の資産で、その所在していた場所が明らかでないものについ

て。

【生徒】

 原則は確かその資産が所在していた場所で判断するんでした

よね?そうしたら判別できないことになっちゃいますね。

【先生】

 この場合にはその資産の譲渡・貸付を行う者の、その譲渡・貸付

に係る事務所等の所在地で判別します。

【生徒】

 「事務所等の所在地」っていうのがお決まりの文言ですね。

 それなら役務提供の場合も同じですか?

【先生】

 はい。特例以外で役務提供の行われた場所が不明の場合には

役務提供を行う者の役務提供に係る事務所等の所在地で判別し

ます。

 実際の場所が不明なら、事務所の所在地くらいしか判別できる

場所はないですからね。

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為