週刊なるほど!消費税

消費税における「取引」

第36号 2003/08/04

【先生】

 前回の最後に言いました通り、今回は取引の区分のお話です。

【生徒】

 『国内において・・・』だけで全て解決ではなかったんですよね。

【先生】

 そうです。

 まず、『国内において・・・』の要件に全て該当する取引のことを、

「課税の対象」と言います。

 また要件に該当しない取引を「不課税取引」と言います。

 「課税の対象」は文字通り消費税を課税する対象となる取引という

ことです。

【生徒】

 「不課税取引」は逆に消費税を課税する対象とならない取引という

ことですね?

【先生】

 そうです。この「課税の対象」と「不課税取引」の区分が、消費税の

中で一番大きな区分になります。

 次に「課税の対象」となる取引の中でも、消費税がかからない取引

があります。それが「非課税取引」です。

【生徒】

 「不課税」とか「非課税」とかややこしいですね・・・

【先生】

 税法の中でも「不課税」や「非課税」という言葉の定義がはっきり分か

れているのは消費税くらいでしょうね。

単に税金がかからないという意味だけではなく、この区分によって

納付額が違ってきたりしますから、しっかり把握することが重要です。

【生徒】

 了解です!

【先生】

 「非課税取引」というのは、「課税の対象」となる取引ですからそもそも

消費税を課税する要件を備えている取引です。

 ですが、取引の性質上消費税の課すのが好ましくないものや、政策上

消費税を課さないこととしている取引について、特別に消費税を課さない

ものと決められているのがこの「非課税取引」です。

【生徒】

 例えばどんな取引ですか?

【先生】

 詳しくは後にお話しますが、土地の譲渡・貸付や、医療の給付等に係る

取引があげられます。

 「非課税取引」を分けたあと、さらに取引を分けます。それが「免税取引」

です。

【生徒】

 今度は免税ですか・・・これも消費税がかからないんですよね?

【先生】

 消費税がかからないというと、ちょっと違います。「消費税はかかる取引

だがその税率が0%」と考える必要があります。

【生徒】

 ・・・いまいちピンとこないので「へぇ」3つくらいですが・・・どんな取引が

あるんですか?

【先生】

 代表例は輸出取引です。「免税取引」は輸出取引、と覚えてしまっても

よいでしょうね。

 そしてこの「免税取引」を分けて残ったものが、「課税取引」となります。

消費税5%が課せられる取引はこの「課税取引」になります。

【生徒】

 ようやく到達って感じですね。

【先生】

 取引をまとめると、

 ・不課税取引

 ・非課税取引

 ・免税取引

 ・課税取引

 となります。取引はこの4つに分ける必要があることになります。

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為