週刊なるほど!消費税

非課税取引(6)

第42号 2003/09/15

【先生】

 前回より有価証券等と支払手段等の譲渡について見ています。

 これらは非課税取引となりますが、個人事業者の場合には注意

が必要です。

【生徒】

 個人事業者だけですか?

【先生】

 そうです。法人はその行った取引が全て事業となりますので

問題ありません。

 個人事業者では次のような場面を考えてみて下さい。

「個人事業を行っている人が、毎年安定した利益が確保できる

 ので、その一部を株式に投資しています」

【生徒】

 ・・・何か問題あります?

【先生】

 以前話したとおり、消費税の課税の対象となる取引は、個人

事業者が事業として行っていることが前提です。

 株式投資を個人事業の非課税取引として認識するためには、

個人事業者が「株式投資」を事業として行っている必要があり

ます。

 事業で余ったお金を投資するという行為は、あくまで「個人的」

に株式の投資を行ったということになりますので、非課税取引

ではなく家事用の行為となるのです。

【生徒】

 同じ取引でも法人と個人では違ってくるんですね。

【先生】

 そうですね。

 個人で株の売買を事業として行っていることは通常考えられ

ませんからね。個人事業の申告に株の売買を入れないように

気をつけましょう。

【生徒】

 1つ質問です。

【先生】

 お金以外の相談ならなんでもどうぞ。

【生徒】

 ・・・あまり冗談に聞こえない・・・

前回から気になってたんですけど、有価証券等・支払手段等

の譲渡が非課税なんですよね?だとすればこれらの貸付・役務

提供は課税取引になるんですか?

【先生】

 いいところに気がつきました。確かにここでは有価証券等・支払

手段等の「譲渡」としかお話していません。

 役務提供については課税取引となります。有価証券等の役務

提供というとあまりピンときませんが、例えば株の売買をした際に

証券会社に支払う手数料などがあります。

 しっかり消費税分も請求されていますので見てみてください。

【生徒】

 貸付の場合はどうなんですか?

【先生】

 結論から言うと非課税取引になります。これは次にお話しする

非課税取引の中に出てきます。

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