週刊なるほど!消費税

非課税取引(26)
助産に係る資産の譲渡等

第62号 2004/02/16

【先生】

 前回は社会福祉事業をさらっと流してお話しました。

【生徒】

 1回で終わりですか。mod’○ hairもびっくりのさらっと具合ですね。

【先生】

 今回は助産に係る資産の譲渡等についてお話します。

【生徒】

 徐さん?中国の方ですか?

【先生】

 助産、つまり出産介助のことです。

 医師、助産師その他利用に関する施設の開設者による助産に係る

資産の譲渡等は非課税取引となります。

 助産師は助産婦と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。法律

の改正で呼び方が変わりましたが、男性は資格を取れません。

【生徒】

 助産に係る資産の譲渡等って、どういうものですか?

 子供を産むために必要なものってことですよね。入院費用とかかな?

【先生】

 具体的には次のような場合です。

1.妊娠しているか否かの検査

2.妊娠していることが判明した時以降の検診、入院

3.分娩の介助

4.出産日以降2ヶ月以内に行われる母体の回復検診

5.新生児に係る検診及び入院

 新生児に係る検診及び入院は、出産後1ヶ月以内の場合に非課税

取引となりますが、たとえこの期間を超えてもそれが以前にお話して

いる医療等の給付に該当していれば、続けて非課税取引となります。

【生徒】

 事前の検査とか出産後まで含んでるんですね。

【先生】

 そうです。助産に係るものですので、助産に直接要したものに限られ

ません。

 また、助産に係る資産の譲渡等の場合、医療等の給付と違いに注意

が必要です。

【生徒】

 確かに。区別が難しそうですね。

【先生】

 医療等の給付では、保険がきくものが非課税といいましたが、助産

の場合には「助産に係るもの」とあるだけで、保険適用の有無は規定

されていません。

 ですので、例えば差額ベッド代は、通常の病気の場合であれば保険

適用外なので課税取引となりますが、これが助産に係る差額ベッド代

であれば、今回お話しているように非課税取引となるのです。

【生徒】

 なるほど。

 子供を産むためのものが非課税取引っていうなら、流産とか死産

とか、人工妊娠中絶なんかの場合はどうなんですか?ちょっとblueな

話ですけど・・・

【先生】

 流産や死産の場合、元々産む意思があったもので助産の過程にお

いて発生したものですから、助産に係る資産の譲渡等に該当します。

 一方、人工妊娠中絶は自らの意思で産むことをやめようとするもの

ですから、助産に係るものとはいえず、非課税取引とはなりません。

 但し、経済的理由等一定の事由の場合には社会保険の対象となり

ますので、医療等の給付ということで非課税取引となります。

◆発行 アトラス総合事務所

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