週刊なるほど!消費税

非課税取引(28)
身体障害者用物品

第64号 2004/03/01

【先生】

 早いものでもう3月となってしまいました。

【生徒】

 気温も高いですし、もう春ですねぇ・・・花粉が飛び交って憂鬱です。

【先生】

 花粉症ですか?

【生徒】

 全然。花粉症を気取ってみただけです。

 物憂げな横顔がステキとラブレターが殺到しないかなぁと。

【先生】

 そんなに甘いものではないですよ、花粉症は。

 さて今回は身体障害者用物品についてのお話です。

【生徒】

 身体障害者用物品ということは、身体障害者の人のための物品

ですね。

【先生】

 そうです。文言の通りです。

 この身体障害者用物品の譲渡、貸付、製作の請負、一定の物品

の修理については非課税取引となります。

【生徒】

 身体障害者の人が買うものは非課税取引ということですか?

【先生】

 そうではありません。

 障害者の方でも食品であったり備品であったり、通常売られている

商品を購入した場合には他の人と同様に消費税がかかります。

 ここで非課税取引となるのは、例えば義肢や車イスなど身体障害者

の人が使うために特殊な性状、構造、機能を有する物品として指定

されたもののみです。

【生徒】

 指定ということは、限定されてるんですね。

【先生】

 そうです。厚生労働省の公示という形で指定されています。

 自動車を例に見てみましょう。

 下半身に障害があり、免許証にAT車限定の条件がついている人が

います。この人に通常のAT車を販売した場合はどうなるでしょう?

【生徒】

 販売したのは通常のAT車ですよね。そしたら課税取引かな?

【先生】

 その通り、課税取引となります。

 このAT車がアクセルやブレーキを上半身で操作できるような措置が

施されていれば身体障害者用物品となり、非課税取引の対象となり

ます。

【生徒】

 じゃあその車にオプションつけて売った場合は?

【先生】

 それが自動車と一体として販売され、使用の際にもその自動車と

一体と認められるものであれば、自動車に含めて考えます。

 フロアマットなどは含めて問題ないでしょうが、スキーキャリアなど

はダメでしょうね。

 また身体障害者用物品を製作するためには部品を仕入れる必要

がありますが、部品自体は障害者用物品ではありませんので、課税

取引となります。

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