週刊なるほど!消費税

納税額の計算(1)
原則課税

第126号 2005/06/13

【先生】

 さて、今回から消費税一番の山といっても過言ではない納税額の計算のお話

に入っていきます。

【生徒】

 山かぁ・・・そこに山があったら登るんじゃなく避けるほうを選ぶなぁ。

【先生】

 残念ながら避ける道はありませんね。ひたすら登るのみ。そのうち下りも出て

くる・・・と思っていれば楽になりますよ。

【生徒】

 ・・・まさか登りっぱなしじゃないでしょうね・・・

【先生】

 さて、本題に入りましょう。

 いままではどんなものがいつ課税売上となるのか、課税仕入れとなるのか、

ということについて見てきました。

 そこで把握した課税取引に基づいて、実際の納税額を計算していきます。

 まず消費税の納税額の基本的な考え方は覚えていますか?

【生徒】

 預かった消費税-支払った消費税=納税額 ですよね。

【先生】

 そうです。売上等で預かった消費税から、経費等で支払った消費税を引いた

残りを納めます。

 支払った消費税が預かった消費税より多い場合には、還付されることもある

わけです。

【生徒】

 還付が多いとうれしいな。

【先生】

 最初に預かった消費税の計算をしてみましょう。

 消費税込みの課税売上が1,200万円だったとします。これから消費税の

金額を計算するためにいったん税抜の金額を計算します。

 1,200万×100/105(あるいは÷1.05)=11,428,571

 消費税は5%ですので100/105をかけるか1.05で割れば税抜額が出てきます。

 仮に事業者が税抜経理を採用していたとしても、一度税込の金額としてから

この計算をします。

【生徒】

 この計算で出た金額が、その期の課税売上高になるんですね。

【先生】

 そうです。この例の場合11,428,571円が課税売上高ということになります。

 ここで預かった消費税の計算ですが、税金を計算する場合の決まりごととして

課税標準額(税率をかける基となる金額)は1,000円未満を切り捨てます。

 ですから税率を掛ける金額は11,428,000円になります。

【生徒】

 切捨てだからちょっとお得になるんですね。

【先生】

 この課税標準額に4%を掛けます。

【生徒】

 4%ですか?5%ではなく?

【先生】

 最初の頃にお話しましたが、5%というのは国税4%+地方税1%で、地方税の

1%というのは正確には国税額×25%つまり4%×25%=1%なのです。

 ですからまず国税部分の計算をしてあげます。

 11,428,000円×4%=457,120円 これが預かった消費税となります。

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