週刊なるほど!消費税

納税額の計算(33)
簡易課税

第159号 2006/02/6

【先生】

 トリノオリンピックの開幕が迫ってきました。

【生徒】

 スポーツニュースでは見るけど、盛り上がっているのかなぁ・・・

 なんかチケットは30万枚売れ残ってるって話だけど。

【先生】

 オリンピック需要がどれほどかはわかりませんが、日本人選手が活躍

すれば盛り上がるでしょう。

【生徒】

 外国の新聞では日本は銅2個だけなんて予想してましたね。

【先生】

 当たるも八卦当たらぬも八卦。言動に責任取らなくてもいいから気楽な

ものです。

 さて、簡易課税のお話です。前回は計算の概略をお話しました。

【生徒】

 売上で預った消費税に一定率を掛ければいいんですよね。

【先生】

 そうです。今回からはより詳しく計算方法を見ていきましょう。

 まずは乗じる率についてです。

 この率は業種区分に応じて予め決められています。

 第1種事業:卸売業 90%

 第2種事業:小売業 80%

 第3種事業:製造業・建設業等 70%

 第4種事業:その他の事業 60%

 第5種事業:サービス業等 50%

【生徒】

 卸売業だと90%ですか。とすると、納めるのは10%だけってこと?

【先生】

 預った消費税の90%が支払った消費税とみなされるということですから、

納税は10%だけということになります。

【生徒】

 へー。そしたら自分は卸売業ってことにすればお得になるのか。

【先生】

 そう単純ではありません。例えば自社は卸売業をメインで行っているから

何も考えずに売上全体について90%を適用できるということではないのです。

 業種の区分は全て取引ごとに判断します。

 ですから、同じ事業者でも複数の業種に該当する場合ということが通常

です。

【生徒】

 売上のたびにどの業種か考えないといけないのかぁ。。

【先生】

 この業種の判断がキーポイントです。

 まず第1種事業を見てみましょう。

 第1種事業は卸売業と言いましたが、正確な定義としては

『他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで他の事業者に

対して販売する事業』

 となります。

 第2種事業は小売業といいましたが、こちらも正確な定義としては

『他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業

で第1種事業以外のもの』

 となります。

【生徒】

 なんか似てますね。

【先生】

 第1種と第2種の違いは、相手先が事業者かどうかということです。

 仮にコンビニを考えてみて下さい。一般的にはコンビニといえば小売業の

代表例みたいなものですが、商品の販売先が会社などの事業者であれば、

その売上は第1種事業にあたるということになります。

【生徒】

 え?!そうなんですか?でも相手が事業者かどうかなんてどう判断すれば・・

【先生】

 相手先が不明であれば低い方のみなし仕入率を適用しますので第2種と

なりますが、例えば会社名で領収書を切っているような場合は相手が事業者

であることが特定できますので、第1種となります。

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