週刊なるほど!消費税

納税額の計算(49)
簡易課税

第175号 2006/06/05

【先生】

 いよいよW杯が目前です。開幕は9日、日本代表の初戦は12日です。

【生徒】

 ついにきましたねー。個人的に前回のW杯予想はみごと玉砕しちゃいました

が、懲りずに予想してみると・・・

 本命:フランス 対抗:ブラジル 抑え:オランダ、アルゼンチン

 穴:スウェーデン、イングランド

【先生】

 本命はフランスですか?

【生徒】

 小学生のときから不動の本命です。何があっても本命です。

 ・・・出られないときを除いて。

【先生】

 100人いれば100様の予想がありますからね。日本中寝不足の日々に

なりそうです。

 さて、今回は簡易課税全ての計算方法を最初から確かめてみましょう。

 課税売上合計 44,940,000円(税込)

  内訳 第1種  2,100,000円

      第2種  5,250,000円

      第3種 35,700,000円

      第4種   840,000円

      第5種  1,050,000円

【生徒】

 わ。全種類の売上があるパターンですね。

【先生】

 まず預った消費税の計算です。

 44,940,000×100/105=42,800,000(千円未満の端数があれば切捨)

 42,800,000×4%=1,712,000

 次に支払った消費税の計算ですが、これを簡易課税で計算します。

 最初に各業種区分の売上割合を計算します。ここで同時に各区分ごとの

売上に対する消費税も計算しておくと、後で便利です。

 第1種 2,100,000×100/105=2,000,000 2,000,000×4%=80,000

 第2種 5,250,000×100/105=5,000,000 5,000,000×4%=200,000

 第3種 35,700,000×100/105=34,000,000 34,000,000×4%=1,360,000

 第4種 840,000×100/105=800,000 800,000×4%=32,000

 第5種 1,050,000×100/105=1,000,000 1,000,000×4%=40,000

 ※この計算では千円未満の端数が出た場合でも切り捨てません。

 全体の75%は32,100,000円(42,800,000×75%)ですので、32,100,000円

を超えている第3種について特例1事業の適用ができます。

 また特例1事業にあたるということは、他業種と第3種との組合せ全てで

75%以上、つまり特例2事業の適用が可能です。

 ですが前回お話しましたとおり、3+4と3+5の組合せは特例1事業よりも

明らかに不利になりますので、計算は行わなくてよいことになります。

【生徒】

 みなし仕入率の組合せが70%+60%と70%+50%では、70%より低くなる

のは当然ですもんね。

【先生】

 まずは原則のみなし仕入率を計算してみましょう。各業種にかかる消費税

額は上で既に計算しています。

 (80,000x90%+200,000x80%+1,360,000x70%+32,000x60%+40,000x50%)÷

 (80,000+200,000+1,360,000+32,000+40,000)

 =1,223,200÷1,712,000=0.71448598・・・ →約71.45%

【生徒】

 特例1事業は計算するまでもなく70%ですね。

【先生】

 そうです。残るは特例2事業の1+3と2+3の組合せです。

 1+3の場合

 80,000x90%+(1,712,000-80,000)x70%÷1,712,000

 =1,214,400÷1,712,000=0.709345・・・ →約70・93%

【生徒】

 2+3は

 200,000x80%+(1,712,000-200,000)70%÷1,712,000

 =1,218,400÷1,712,000=0.71168・・・ →約71.17%

【先生】

 全て計算できたら、一番みなし仕入率が高いものを選びます。ここでは

 原則:71.45% 特例1:70% 特例2:70.93%(1+3)、71.17%(2+3)

【生徒】

 原則が一番高いですね。

【先生】

 そうですね。この例では原則を選択することになります。

 支払った消費税の計算は

 預った消費税1,712,000×みなし仕入率(1,223,200/1,712,000)

 =1,223,200

 納税額は 国税 1,712,000-1,223,200=488,800(百円未満切捨)

       地方税 488,800×25%=122,200(百円未満切捨)

 合計 488,800+122,200=611,000円 となります。

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