週刊なるほど!消費税

納税義務(法人:1)

第233号 2007/08/6

★【先生】

前回まで4回にわたって、個人事業者の消費税の納税義務についてお話を

しました。

☆【生徒】

 最後は、法人成りをうまく利用すると、節税をすることができる、という

話でしたよね。

 具体的にはどうすれば一番得なのですか?

★【先生】

 その前に、法人の消費税の納税義務についておさらいしましょう。

 法人の場合も、消費税の納税義務があるかどうかは、個人の場合と同じです。

「その課税期間に係る基準期間における課税売上高」が1,000万円を超えるか

どうかで決まります。

☆【生徒】

 じゃあ個人事業者の場合と同じで、2年前の課税売上高で判断するのですか?

★【先生】

 単純に同じではありません。個人事業者の場合と法人の場合とで違うところを

順番に説明します。

 まずは、個人事業者のときと同じく、「その課税期間に係る基準期間における

課税売上高」をバラバラにして考えてみましょう。

 最初は「課税期間」についてです。法人の場合の「課税期間」とは、いつのこと

だったか覚えていますか?

☆【生徒】

 法人の場合の「課税期間」は、事業年度です。事業年度が4月1日から3月31日

の法人の場合、平成19年から平成20年の課税期間は、平成19年4月1日から

平成20年3月31日になります。

★【先生】

 原則はその通りです。

 次に法人の「基準期間」とは、いつのことか覚えていますか?

☆【生徒】

 法人の「基準期間」は、その事業年度の前々事業年度ですよね?前々事業年度と

いうことは、・・・さっきの法人の場合には平成17年4月1日から平成18年3月

31日になります。

★【先生】

 そうです。

 つまり法人の場合、平成20年3月31日終了事業年度の消費税の納税義務がある

かないかは、平成17年4月1日から平成18年3月31日までの「課税売上高」、

つまり消費税のかかる売上高が、1,000万円を超えているかどうかで決まる、

ということです。

 個人事業者の場合にはどんな個人でも常に暦年で判定でしたが、法人の場合には

法人ごとに事業年度が異なるので、課税期間・基準期間が異なる、ということですね。

☆【生徒】

 期間にさえ注意すれば、個人事業者も法人も、計算の仕方は同じということでしょうか。

★【先生】

 そうはいきません。例えば法人が事業年度を変えたとしたらどうなるでしょうか?

☆【生徒】

 ・・・どうなるのでしょうか?

★【先生】

 そのあたりは具体例をまじえて、次回にまたお話しましょう。

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