週刊なるほど!消費税

納税義務(法人成り:11)

第250号 2007/12/10

★【先生】

 引き続き、法人成りした場合であっても、消費税の免税とならないことによって、

つまり、あえて課税事業者になることによって、消費税で得をする場合があるという

話をしています。もう4週目です。

☆【生徒】

 消費税の「還付」を受けるにあたって、重要なことが3点ほどあり、その第1点目、

どのような場合に、預った消費税よりも支払った消費税の方が多くなるのか、という

ことについて話をしているところでしたよね。

★【先生】

 預った消費税よりも支払った消費税の方が多くなる場合には、

・すごく赤字になる場合

のほかに、

・大きな資産を購入した場合

・課税売上のうちに、輸出売上のような、免税売上が大きく占める場合

がある、という話をしました。

 早速具体例を交えて、どのような場合に還付になるかを見ていきたいところですが、

その前に今週は、重要なことの2点目、還付を受けるための手続きについて見てみま

しょう。

☆【生徒】

 手続きというのは、税務署に何か提出するとか、そういう話ですか?具体例を見る前

に確認しておかなければならないほど大切なことなのですか?

★【先生】

 非常に重要です。税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出する必要があるの

です。これを提出していなければ、いくら預かった消費税よりも支払った消費税の方が

多くても、一円も還付になりません。

☆【生徒】

 えっ!?届出書を出していなければ、還付にならないのですか!?なんか届出書の

名前を見ると、「課税事業者選択」とか書いてあるから、「還付」を受けたい場合には

関係ないようなイメージなのですが・・・

★【先生】

 それが大いに関係があるのです。「還付」を受けたい場合には、還付を受けるために

「申告書」を提出するのですが、免税事業者では「申告書」の提出をすることはできな

いのです。課税事業者でなければ、「申告書」の提出をすることはできません。

☆【生徒】

 あっ、それで“あえて課税事業者となることによって、消費税で得をする場合があ

る”という話になるのですね!

★【先生】

 そうです。消費税の「還付」を受けるには、「申告書」を提出しなければならない。

「申告書」を提出するには、「課税事業者」でなければならない。免税事業者が「課税

事業者」になるためには、「消費税課税事業者選択届出書」を提出しなければならな

い、ということになるのです。

 説明が長くなってしまうので、今回はここまでにします。また次回、続きから説明します。

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