週刊なるほど!消費税

あえて課税事業者になる(1)

第254号 2007/1/21

★【先生】

 前回までは、本来免税事業者だけれども、敢えて課税事業者になる

場合の手続きについて説明してきました。

 今回からは、敢えて課税事業者になる具体的なケースについて見て

いきましょう。

☆【生徒】

 どのような場合に、敢えて課税事業者になるのかの具体例ですね?

★【先生】

 そうです。

 まずは、代表的なケースとして輸出事業者があります。

☆【生徒】

 国内で商品を仕入れて海外に輸出するケースですね。

★【先生】

 そうです。

 国内で仕入れた商品には消費税がかかっていますので、「支払っ

た消費税」が発生します。

 一方、その仕入れた商品を輸出しても、輸出売上には消費税がか

かりませんので、「預かった消費税」は発生しません。

 したがって、輸出売上しかない事業者の場合には、商品の仕入代

金や家賃、交通費、通信費などに含まれる「支払った消費税」が敢え

て課税事業者になることによって、申告により還付されるのです。

☆【生徒】

  なるほど、よく分かりました。

  では、輸出売上の他に国内売上もある場合は、どうなりますか?

★【先生】

  国内売上にかかる「預かった消費税」より、商品の仕入代金等に

含まれる「支払った消費税」が多ければ、その差額だけ消費税が還

付され、逆の場合は消費税の納税になります。

☆【生徒】

 輸出売上と国内売上のある事業者の場合は、単純には行きませ

んね?

★【先生】

 そうですね。

 でも設立初年度であれば、初年度の事業年度末までに課税事業

者の選択をすればよいわけですから、事業年度末までぎりぎり待って、

消費税の損得計算をして判断すればよいでしょう。

◆発行 アトラス総合事務所

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