週刊なるほど!消費税

個人事業者と法人との違い
課税の対象が違う

第283号 2008/9/17

☆【生徒】

前回までのゴルフ会員権の消費税の取り扱いでは、ゴルフ会員権を法

人が売却した場合と、個人事業者が売却した場合とで大きな違いがあ

りました。

その点をもう少し詳しく説明してください。

★【先生】

わかりました。

ゴルフ会員権の譲渡では、法人が譲渡した場合には消費税が課税さ

れるというものでした。

☆【生徒】

なぜ、法人がゴルフ会員権を譲渡すると無条件に消費税が課税される

のですか?

★【先生】

消費税は、事業者が事業として課税資産を譲渡した場合に課税されま

す。

☆【生徒】

ポイントは、事業として譲渡したかどうかということですか?

★【先生】

そのとおりです。

法人は、もともとお金を儲けるための事業を行うことを目的とした組織体で

すので、法人が行う行為はすべて事業としての行為ということになります。

☆【生徒】

は~ なるほど。

これに対して個人事業者は?

★【先生】

個人事業者は事業としての行為と生活としての行為があります。

☆【生徒】

なるほど、2つの行為が混在しているということですね。

だから、ゴルフ会員権の売却のケースでも、ゴルフ会員権を事業として

売却するゴルフ会員権取引業者と、それ以外の個人事業者とに分けた

わけですね。

★【先生】

そのとおりです。

個人事業者が所有する絵画を売却して事業資金とする場合も、画商

であれば消費税の課税取引となり、それ以外の個人事業者の場合は

生活用資産の売却として消費税は課税されません。

☆【生徒】

よく分かりました。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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