週刊なるほど!消費税

損害賠償金と消費税 (4)

第295号 2009/1/19

☆【生徒】

私は貸しビルを所有しています。

事務所として賃貸しているのですが、賃借人とのトラブルが絶えません。

そこで、賃貸借契約書に「契約条項に違反した場合は一定期限までに退去

すること。期限までに退去しない場合は規定の賃貸料の3倍に相当する額の

賃貸料を徴収する 」と明記しようと思います。

★【先生】

かなり厳しいペナルティーですね。

☆【生徒】

この場合、入居者が期限までに退去しないで、規定賃料の3倍の賃貸料を

請求する場合の消費税の扱いを教えてください。

私は、規定の賃料を超える額については、損害賠償金または違約金的なも

のとして消費税の対象にはならないと考えています。

どうですか?

★【先生】

残念ながら3倍の賃貸料全額が消費税の対象になります。

☆【生徒】

え~ なぜですか?

★【先生】

3倍の賃貸料は、事務所の賃貸借契約に基づき賃貸期間に応じて徴収され

るものであって、契約違反をした場合の割増料金としての性格があるとして、

全額が消費税の対象となります。

☆【生徒】

は~ そうなんですか・・・

事務所を賃貸している対価ということですか・・・・

★【先生】

同じような例で、ガスや電気を不正に消費した場合にも、通常料金の3倍の料

金を徴収されるようですが、これも消費税の対象になります。

☆【生徒】

なるほど。

★【先生】

電車に不正乗車した場合も、通常料金の3倍の料金を取られるようですが、こ

の場合も全額消費税の対象になります。

☆【生徒】

すべて割増料金ということですね。

★【先生】

そのとおりです。

(国税庁質疑応答事例より)

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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