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週刊税務調査日記

国際取引の調査(2)

第448号 2019/4/19

海外の取引先との間で取り交わした契約書のコピーを巡って調査官ともめています。

●税務署

「契約書のコピーを頂くことは難しいですか?」

★納税者

「NDAがありますから」

●税務署

「NDA?」

★納税者

「秘密保持契約です。Non disclosure agreement の略です」

●税務署

「あ~ なるほど」

「でも、私たちは国家公務員に定められた守秘義務がありますので、その点はご安心ください」

★納税者

「守秘義務があると言っても、情報が漏れない可能性がゼロとは言えませんよね」

●税務署

「確かに、ゼロとは言えませんが、ほぼゼロに近いと思います」

★納税者

「どうなんですか?会計事務所としては」

■会計事務所

「電車の網棚に税務署の方が鞄を置き忘れたとかはよくありましたね」

「それと、納税者の方から聞いた話なのですが、都内である会合があって、そこに出席していた税務署長が、酔っ払って実在する会社名をあげて、調査での出来事を皆の前でしゃべっていたので、税務調査を受けることがとても不安だ、ということも最近聞きました」

★納税者

「なるほど」

「そのようなことが起き得るということでは、とてもNDAが交わされている契約書のコピーを渡すなどできませんね」

●税務署

「ん~ 契約書のコピーを頂かないと税務判断ができないですよね」

★納税者

「ここで見るだけではダメですか?」

●税務署

「契約書が英文ですし、我々の英語力では無理ですね」

★納税者

「英語に堪能な方を連れて来たらいかがですか?」

●税務署

「そういうわけにもいかないのです」

「今日のところはこれまでにして、また会計事務所に連絡します」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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