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週刊 なるほど!消費税

〔新設分割子法人の納税義務_1期目と2期目〕

第417号 2015/11/09

【生徒♂】

「よっしゃ!先生!僕は前回の予告どおりにスッポンを一匹丸飲みにしてきたから気合ビンビンだよ!」

【生徒♀】

「私もマムシの生血を毛穴から出る程にしこたま飲んで参りましたから、精力ギンギンですわ!」

【先 生】

「うげっ!何だか教室の空気が妙に生臭いわね・・・。まあ、やる気十分みたいだから我慢するか・・・。さて、では新設分割子法人の分割等があった日の属する事業年度とその翌事業年度の納税義務判定について説明するわね。」

【生徒♂】

「つまり、新設分割子法人の第1期目と第2期目って訳だね?」

【生徒♀】

「新設分割子法人の第1期目と第2期目の納税義務は、どのように判定しますの?」

【先 生】

「その前に納税義務判定の大原則は何だったか覚えているかしら?」

【生徒♂】

「もちろんさ♪『その事業年度の基準期間における課税売上高』で判定するのさ。」

【生徒♀】

「それが1,000万円を超えている場合には、納税義務が発生するのですわ。」

【先 生】

「そのとおりよ。でも新設分割子法人の第1期目と第2期目には、基準期間が存在しないわよね?」

【生徒♂】

「確かに・・・。さあて、困った事になりましたぞ。」

【生徒♀】

「(!)天才美少女の私は閃いてしまいましたわ♪新設分割子法人は、言わば、新設分割親法人から分裂して生まれたようなものだから、新設分割親法人の課税売上高を用いて判定するのではないかしら?」

【先 生】

「天才美少女っていう部分には、おおいに異議があるけれど、そのとおりよ。新設分割子法人の基準期間に対応する期間における新設分割親法人の課税売上高を用いて判定するのよ。」

【生徒♂】

「その『新設分割子法人の基準期間に対応する期間』っていうのは、新設分割親法人のどの事業年度を指すのかな?」

【先 生】

「それはね、新設分割子法人の第1期目又は第2期目の事業年度開始の日の二年前の日の前日から同日以後一年を経過する日までの間に終了した新設分割親法人の各事業年度を指すのよ。」

【生徒♂】

「例えば、分割があった日を『平成26年10月1日』と仮定すると、具体的にどの事業年度を指すんだい?」

【生徒♀】

「つまり、新設分割子法人の第1期目の場合ですわね。」

【先 生】

「その場合には、次のようになるわよ。」

 ■事業年度開始の日の二年前の日

  ⇒平成24年10月2日

 ■事業年度開始の日の二年前の日の前日

  ⇒平成24年10月1日

 ■同日以後一年を経過する日   

  ⇒平成25年9月30日

【生徒♂】

「という事は、平成24年10月1日~平成25年9月30日までの間に終了した新設分割親法人の事業年度が該当する訳だね。」

【先 生】

「ええ、そのとおりよ。そしてその事業年度の課税売上高をその事業年度の月数で除して、これに12を乗じて計算するのよ。それが1,000万円を超えると新設分割子法人の第1期目は課税事業者に該当するわ。」

【生徒♀】

「じゃあ、今の例で新設分割子法人の第2期目を『平成27年10月1日~平成28年9月30日』とすると、次のようになりますわね。」

 ■事業年度開始の日の二年前の日

  ⇒平成25年10月2日

 ■事業年度開始の日の二年前の日の前日

  ⇒平成25年10月1日   

 ■同日以後一年を経過する日

  ⇒平成26年9月30日

【生徒♂】

「という事は、平成25年10月1日~平成26年9月30日までの間に終了した新設分割親法人の事業年度の課税売上高を算出すればいいわけだね。」

【生徒♀】

「そして、その算出した課税売上高をその事業年度の月数で除して、これに12を乗じて、それが1,000万円を超えると、新設分割子法人の第2期目は課税事業者に該当するのですわね。」

【先 生】

「大正解♪そのとおりよ。どうしちゃったの?二人とも。今日は妙に冴えているじゃない。何だか気味が悪いわね・・・。」

【生徒♂】

「むふふ。これがスッポンパワーさ!でも安心して。次回にはいつもの僕に戻っているからさ。」

【生徒♀】

「私のマムシパワーも今日だけですわ。次回は、いつもの私ですわよ。」

【先 生】

「いつものおバカさんコンビの方が定番って感じで安心するわ。という訳で今回はここまで。次回は、新設分割子法人の第3期目以降の納税義務判定について説明するわね。ではまた次回!ばいばい!」

アトラス総合事務所 税理士
大森 浩次
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