税制改正大綱
はじめに
与党は15日、平成18年度税制改正大綱を決定しました。全体として増税色の強い改正となっています。
1.所得税率の見直し
平成19年より、現在4段階(10%、20%、30%、37%)に設定されている所得税率が6段階(5%、10%、20%、23%、33%、40%)に見直され、また住民税は現行の3段階(5%、 10%、13%)から一律10%となります。
2.定率減税の廃止
平成18年より半減される定率減税の残り半分について、平成19年に全廃されます。
3.地震対策
平成19年より所得控除として地震保険料控除(最高5万円)を創設し、既存の損害保険料控除は平成18年末までに契約した長期損害保険契約を除き廃止されます。 また平成18年4月1日から平成20年12月31日までに、既存住宅に一定の要件を満たす耐震改修を行えば、その改修費用の10%(最高20万円)が所得税より控除され、地方税では一定期間内に耐震改修を行った住宅につき、固定資産税が1/2減額されます。
4.研究開発税制
試験研究費の総額に係る税額控除を増加試験研究費の税額控除に統合し、平成18年4月1日から平成20年3月31日までに開始される各事業年度では税額控除率に5%が上乗せされます。
5.情報基盤強化税制
青色申告書提出事業者につき、平成18年4月1日から平成20年3月31日までに情報セキュリティー対策用資産を取得した場合、取得価額の10%の税額控除又は50%の特別償却が受けられます。
6.中小企業対策
- 同族会社の判定及び留保金課税の計算につき改正が行われます。
- 交際費の範囲から1人あたり5千円以下の一定の飲食費が除外されます。
- 30万円未満資産の即時償却につき、1事業年度につき総額300万円の上限を設けたうえ、適用期限が2年延長されます。
7.加算税
無申告加算税・不納付加算税につき割合が引き上げられたうえ、適用除外の要件が明確化されました。
8.役員報酬
一定の要件を満たす同族会社の役員報酬につき、給与所得控除相当額が損金不算入とされます。
※この改正が成立すると、多くの同族会社が少なくとも200万円超の所得を加算されてしまうことになってしまいます!
定時定額支給以外の役員への給与につき
- 業績連動以外の給与で、確定時期に確定額を支給する規定に基づき支給するもの
- 業績連動報酬のうち、非同族法人の役員に対するもので損金経理や有価証券報告書への記載等一定の要件を満たしたもの
上記2つについて損金算入が認められます。
9.その他
- IT減税、留保金課税の不適用制度の廃止
- 寄付金控除適用下限額を5千円に引下げ
- 欠損法人を利用した節税行為の制限
適正な労働者派遣事業
1.はじめに
最近、派遣で働く人が増えているようです。また、ソフトウェア開発等の事業で、派遣業の許可を受け、エンジニアを派遣するケースも増えています。そこで、「労働者派遣」とはどのような形態なのかを勉強してみましょう。
2.労働者派遣とは
自分の会社の従業員を他の会社の指揮命令下で働かせる形態を労働者派遣といいます。会社が労働者派遣を行うには、厚生労働省への届出、又は許可が必要となります。 労働者派遣を図にすると次のようになります。

3.一人請負派遣
会社が労働者と業務委託契約を結び、当該労働者が他社から業務の指示や労務上の指示を受けて業務を行う形態があります。この場合、業務委託契約を結んでいても、実質は雇用関係にある労働者と変わらないので、契約が「業務委託」や「請負」となっていても、契約の名称にかかわらず「労働者派遣」となります。次の図のような形態の場合は派遣となり、「自社(派遣元)」は派遣業の届出をし、又は許可を受け、適正に派遣事業を行わなければなりません。

4.多重派遣の禁止
発注会社から複数の会社間で業務委託契約が結ばれ、従業員が発注会社において就業する形態は禁止されています。つまり、次の図のような形態での派遣は禁止されています。

5.厚生労働省への届出と許可
労働者派遣を行う事業所は、厚生労働省へ届出し、又は許可を受けなければなりません。労働者派遣事業には二種類あり、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業があります。特定労働者派遣事業とは、常用労働者(期間の定めなく雇用されている労働者、採用から一年を超えての雇用が見込まれる労働者など)を派遣の対象とする事業で、行うには「届出」が必要です。一方、一般労働者派遣事業とは、臨時労働者や日雇労働者、登録型の労働者を派遣の対象とする事業で、行うには「許可」が必要となります。

