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第144号 (2006年4月)
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役員報酬の改正

平成18年度の税制改正における役員報酬の扱いの詳細が次第に明らかになってきました。会社にとっては、かなり縛りのきつい改正内容です。以下、現段階で明らかになった内容について説明いたします。

● 定期同額給与

1.定期同額給与って?

改正法では、「当該事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与」、つまり「事業年度を通じて毎月同額の役員報酬を支給しないと会社の経費として認めない」と規定されました。

今までも同様な扱いでしたが、キッチリと明文化されたのです。税務署の意思が明確に読み取れます。

2.役員報酬の改訂はできないの?

事業年度を通して同額であることが必要だと、「では、いつ改訂するのか?」という疑問が生じます。

改正法では、増額改訂については「会計期間開始から3ヶ月以内の役員報酬の改訂」についてだけ認めています。会計期間開始から3ヶ月以内というと結局、通常決算日後3ヶ月以内に開催する定時株主総会で役員報酬の額を改訂するということを想定しているのでしょう。

3.改訂前後で定時同額が要件

会計期間開始から3ヶ月以内に役員報酬を改訂する場合、その改訂前と後での定時同額が要件とされています。

中小企業では税務申告書提出の関係で、会計期間開始後(決算後)2ヶ月以内に定時株主総会を開催するケースがほとんどです。そこで、3月決算で2ヵ月後の5月末日頃に定時株主総会を開催して、役員報酬を増額改訂したケースで説明しよう。

改訂前の役員報酬は月額50万円、6月からの改定後の役員報酬は月額80万円とすると、4月と5月が月額50万円、6月から翌年の3月までが月額80万円である必要があるわけです。

つまり、「会計期間開始から3ヶ月以内に役員報酬を改訂したら、その後は決算月までその額を動かすな」ということです。

まったくもって余計なお世話です。図にすると次のようになります。

         

4.役員報酬の減額は?

役員報酬額の減額について、今までは問題にならなかったのですが、減額の仕方も定められました。

まず、増額と同様に会計期間開始から3ヶ月以内に改訂することができます。これは上記で説明したとおりです。

次に、会計期間開始から3ヶ月以内でなくても、会社の経営状況が著しく悪化した場合、その他これに類する理由がある場合に限り、役員報酬を減額改訂することができます。

この場合の改訂方法も、改訂前と改定後で定時同額が要件とされますので、「1回改訂したらその後は決算日まで改定後の役員報酬額を動かすな」ということです。

● 事前確定届出給与

1.事前確定届出給与って?

既に説明した、毎月定額の役員報酬を支払う定期同額の給与のほかに、従業員の賞与と同様に7月や12月に役員に対して支払う給与(賞与)も、そのことを事前に税務署に届け出れば、会社の経費とすることができるようになりました。これが事前確定届出給与という制度です。

2.どのようなことを届け出るの?

以下のことを届け出ます。(事前確定届出給与のことを以下「臨時給与」と言います。)

  • 臨時給与を支給する役員の氏名・役職名
  • 臨時給与の支給時期・支給金額
  • 臨時給与の支給を定めた日・定めた機関 (取締役会、株主総会など)
  • その役員の職務の執行を開始する日
  • 臨時給与を支給する理由、支給時期設定の理由
  • 臨時給与のほかに定期同額給与を支給する場合は、その支給時期・支給金額
  • 臨時給与を支給する役員の直前会計期間の給与の支給時期・支給額
  • その会計期間における他の役員の給与の支給時期・支給額

もう役員報酬のことなら、何でもかんでもすべて事前に教えろといったところでしょうか。

3.いつまでに届け出るの?

税務署に上記の事項を事前に届け出る必要があります。届け出期限は次の(1)と(2)のいずれか早い日までとなっています。

(1) 臨時給与に係る職務の執行を開始する日

(2) 会計期間開始の日から3ヶ月以内

 (1)の「臨時給与に係る職務の執行を開始する日」とは、たとえば6月〜11月までの役員の職務の執行に対応する臨時給与を12月に支払う場合は、6月1日になります。
  3月決算の場合、(2)は6月30日になりますから、(1)といずれか早い日ということで、臨時給与の届出を6月1日までに届け出ることが必要になります(この場合でも、会計期間開始の日から3ヶ月以内とする経過措置があります。つまり6月30日が届出期限。)。

4.届出た臨時給与は払わなければダメ!

事前に届出た臨時給与は、その金額を支払わなければなりません。届出た後に急激に業績が悪化して、資金繰りの都合上どうしても支払えないような場合を除いて、届出金額と相違する額を支払った場合には、臨時給与を経費とすることができなくなるようです。

5.年払い役員報酬も届出が必要に

この事前確定届出給与の制度では、役員に支払う定期同額給与以外の給与すべてが対象になりますので、3ヵ月毎、半年毎、年払いの役員報酬も事前届出の対象になります。

非常勤役員に対して年払いの役員報酬を支給している場合には、それを会社の経費とするため、事前確定届出給与に含めて税務署に事前に届出る必要があります。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修  
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4月の改正事項のまとめ

1.はじめに

今月から新年度に入りました。今月1日から様々な分野で制度改正が行われました。社会保険や労働保険、労務管理に関する改正を中心に、近日改正される事項も合わせて確認してみましょう。

2.国民年金保険料が改正されました

今年度の国民年金保険料は13,860円となっています。平成29年まで毎年上がっていき、将来は16,900円になる予定です。また、厚生年金保険料については9月に上がり、保険料率は14.642%(労使それぞれ7.321%の負担)となります。平成29年まで毎年9月に保険料が上がり、将来は18.3%(労使それぞれ9.15%の負担)となる予定です。

3.労災保険料率が改正となりました

労災保険料率は業種によって異なります。今回の改正では、業種によって保険料率が上がったり下がったりしています。労働保険の年度更新(労働保険料の算出作業のことです)の際には、平成17年の確定保険料(決定された平成17年度の保険料)は従前の保険料率で算出し、平成18年の概算保険料(平成18年度の予定保険料)は新保険料率で算出することになります。

4.労災保険(通勤災害)の保護対象が拡大

通勤災害の保護対象が拡大されました。単身赴任者が単身赴任先の住居と実家との間を移動中に災害に遭った場合、通勤災害として労災保険がきくことになりました。ただし、単身赴任者が週末に実家に帰り、週が明ける前に単身赴任先に戻るといったような、業務に密接と認められる移動に限られます。

                     

上図「赴任先⇔赴任先住居」「赴任先住居⇔実家」の異動間の事故が対象です。また、2箇所の異なる会社で働く場合に、その2つの会社間の移動も保護対象となりました。           

5.65歳までの雇用を確保

65歳未満の定年を定めている会社は次のいずれかの措置を選び、定年を引き上げなければなりません。

  • 定年年齢の引き上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 定年の廃止

6.今月の給与計算時に注意すること

3月1日から介護保険料が改定されています。40歳以上の介護保険適用者の給与から天引きする介護保険料は今月から変わります。

社会保険労務士 安藤 幾郎  
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