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アトラスNEWS

第156号 (2007年4月)
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繰延資産って何?

1.はじめに

貸借対照表は、プラスの財産である資産と、マイナスの財産である負債と、両者の差額である資本の3つで構成されています。 資産は、大きく流動資産と固定資産と繰延資産に分かれています。今回は、繰延資産にスポットを当てて説明します。

2.繰延資産は資産の異端児

資産とは、プラスの財産であると説明しました。つまり、現金や預金であったり、売却したり回収したりすれば、お金が増えるものです。売掛金を回収すればお金が増え、土地建物を売却してもお金は増えます。また有価証券を売却しても同様です。このような資産を財産価値、換金価値があると言います。

しかし繰延資産には、この財産価値、換金価値がないのです。つまりお金に換えることのできない資産なのです。そういう意味で資産の異端児です。

3.繰延資産とは?

繰延資産とは、「その支出の効果が1年以上に及ぶもの」を言います。

創立費は繰延資産です。創立費とは、法人を設立するためにかかった費用を言います。法人を設立するために支出した登記費用などは、会社を設立したときにだけかかる支出ですが、その支出によってできた会社はずっと存続します。したがってその支出の効果は会社が存続する限りあるということができます。

新宿から渋谷まで電車に乗るための支払は、渋谷に着いたらその支払の効果は終結します。繰延資産は、そうではなくてその支払の効果が1年以上に及ぶものを言うのです。

4.だから財産価値がない

支出の効果が1年以上続くものをなぜ資産とするのかというと、1年以上続く効果によりもたらされる売上と対応させる費用にするためです。このように、売上との対応という損益計算の技術的な理由で資産に計上するものですから、財産価値など元からないのです。

5.繰延資産の具体例(1)

繰延資産には、会社を設立後開業のために特別に支出した費用である「開業費」。新製品、新技術の試験研究のため特別に支出した費用である「試験研究費」。新技術、新事業開始のために特別に支出する費用である「開発費」。新株発行のために支出した「新株発行費」。同じく社債発行のために支出した「社債発行費」などがあります。

6.税務上の扱いは異なる

上記の繰延資産の税務上の扱いは特別です。税務上は、支出時に全額費用とすることもできるし、資産計上して費用にしたいときにいつでも費用とすることができるのです。非常に便利な存在です。

7.繰延資産の具体例(2)

同業者団体の会館建設費用負担金、商店街のアーケードの負担金、建物賃借時の礼金、ノーハウの頭金、自社製品販売のための看板・ネオンサインの贈与、出版権設定の対価、同業者団体等の加入金、プロスポーツ選手との専属契約等のための契約金。

これらの繰延資産は、税務上の繰延資産と言われ、支出時に全額費用とすることはできず、数年間に亘って費用化します。

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従業員の解雇

1.はじめに

会社は、従業員を簡単に解雇することはできません。解雇には様々な制限があります。

これらのことを知らずに従業員を解雇すると、後でトラブルに巻き込まれることになってしまいます。今回は、この解雇の制限について少し勉強してみましょう。

2.解雇するには理由が必要

従業員を解雇するには、解雇するだけの理由が必要となります。例えば、勤務成績の悪い従業員を解雇する場合には、勤務成績が向上するための訓練を行い、改善向上の見込みがないと認められて初めて解雇することができます。「勤務成績が悪いから即時に解雇」とはいきません。

3.解雇する場合には予告が必要

従業員を解雇することになったら、会社は解雇することを解雇の30日前までに従業員に伝えなければなりません。これを解雇予告といいます。

もし、30日前に伝えないのであれば、30日分以上の賃金を支払わなければなりません。これを解雇予告手当といいます。

つまり、会社は、従業員を解雇する場合は、事前に解雇予告をするか、解雇予告手当を支払わなければならず、即時に解雇することはできないのです。

しかし、社内で横領事件を起こしたなど、解雇につき従業員に重大な責任があるときは、労働基準監督署の事実認定を受けたときに限り、解雇予告や解雇予告手当なしに即時に解雇することができます。

4.この期間中は解雇できない

従業員を解雇することになっても、次のように、解雇をすることができない期間があるので注意が必要です。

まず、業務上の原因により傷病にかかり、療養をしている期間と療養が終わってからの30日間です。

たとえ療養期間が1日であっても、その期間とその後の30日間は解雇ができません。

次に、産前産後の休業中と休業期間終了後の30日間です。

産前産後の休業中とは、出産予定日前42日間と出産後56日間の休業をいいます。この期間も解雇が禁止されています。

5.これらを解雇の事由としてはいけない

労働基準法をはじめとする労働関係法では、主に次のことを理由として解雇することを禁止しています。

例えば・・・

  • 従業員の国籍や信条
  • 女性であること、結婚や妊娠、出産したこと
  • 育児休業や介護休業をとったこと
  • 労働組合の組合員であること
  • 労働基準監督署に会社の労働法違反を申告したこと

6.最後に

このように、従業員を一度雇い入れると、その従業員を解雇することは簡単ではありません。したがって会社は、能力や人間性に優れた人材を雇用できるような採用制度を確立する必要があるのです。

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