アトラス総合事務所

アトラスNEWS

第165号 (2008年1月)
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公益法人改革

1. はじめに

公益法人とは、現行の民法34条に定められた社団法人と財団法人のことをいいます。

社団法人とは、一定の目的のために集まった人の組織体であって、広い意味では株式会社も社団法人といえますが、通常は民法34条により設立された人の組織体です。法人会や青色申告会も社団法人のひとつです。

一方、財団法人とは、一定の目的のために集められた財産の組織体のことをいい、その財産を公益のために使うために管理運営します。日本ユニセフ協会も財団法人です。

2.改革の内容

公益法人を設立しようとしても、現在の仕組みでは容易ではありません。農林水産省や厚生労働省などの主務官庁の許認可を受けなければならないからです。また、公益法人が天下りの温床になっていたり、公益性を失った公益法人が存続してたりという弊害があることから改革がされました。

構成員が2名以上いれば一般社団法人が設立でき、財産が300万円以上あれば一般財団法人が設立できます。そして、それらの申請を受けて、第3者機関によって公益性が認定されると公益社団法人公益財団法人とされます。

3.現行の公益法人の税金

現行の公益法人は税金が一律に優遇されています。公益法人は、法人税法に定められている収益事業だけが法人税の対象になっていて、税率も一律に22%になっています。所得が800万円まで22%で、それ以上は30%の税率が適用される一般の会社より優遇されているのです。

また、収益事業と公益事業の両者を行っている公益法人は、収益事業で儲けたお金を公益事業に寄付すると、所得の20%までその寄付が税金計算上損金とされるのです。これをみなし寄付金といいます。単に、収益事業から公益事業にお金を移せば法人税が安くなるお得な制度です。

4.改正後の公益法人の税金

改正税制では、公益法人を3つに分けます。(1) 公益社団法人・公益財団法人 (2) 一般社団法人・一般財団法人のうち、非営利性が徹底している法人、共益的活動を目的とする法人(非営利一般法人) (3) 非営利一般法人に該当しない一般社団法人・一般財団法人。この3つとも、適用される法人税率は、一般の会社と同様の22%と30%です。

(1) 公益社団法人・公益財団法人  
収益事業にだけ法人税課税され、みなし寄付金の損金算入枠が大幅に拡充されました(所得金額の50%と公益目的のために使用される寄付金相当額とのいずれか多い額)。
(2) 非営利一般法人  
収益事業にだけ法人税課税、みなし寄付金制度の適用はありません。
(3) 上記(2)以外の一般社団法人・財団法人  
一般の会社と同じように課税されます。
 

以上の税制は、平成20年12月1日から施行される予定です。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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適正な派遣事業

1. はじめに

事業運営の必要性から、派遣事業の許可を取る会社が増えているようです。派遣業の届出をしたり、許可を取ったりしたら、派遣事業者として適正な派遣をしなければなりません。

新聞等で報じられている通り、最近では、派遣禁止業務に従業員を派遣したり、従業員を二重に派遣したりしたことで、事業停止命令を受けた会社があります。

2.労働者派遣事業とは

労働者派遣事業には、自社の従業員を派遣する「特定労働者派遣事業」と、登録者を派遣する「一般労働者派遣事業」があります。これらの派遣事業を行うためには、都道府県労働局で、届出または許可を受けなければなりません。

どちらの派遣事業でも、法令に従い、適正に労働者を派遣する義務があります。

3.派遣が禁止されている業務

労働者派遣をしてはいけない業務があります。建設業務警備業務には労働者派遣をしてはなりません。また、医療関係の業務への派遣も、例外を除き禁止されています。従って、病院や診療所での医師の業務や看護師の業務には従業員を派遣することはできないのです。

これらの派遣禁止業務に従業員を派遣すると、業務停止命令を受ける可能性があります。さらに、派遣禁止業務への派遣は罰則の対象にもなっています。

労働者を派遣する際には、派遣禁止業務に該当しないことを確認しなければなりません。

4.二重派遣の禁止

労働者派遣を受けた会社が、更に、他社に従業員を派遣することを二重派遣といいます。

 

適正な労働者派遣の場合では、派遣従業員は他社(1)で働かなければなりませんが、実際には他社(2)で働くケースです。

このような形態で業務を行なうことは禁止されており、罰則の対象になります。

                                                              

5.派遣元の義務

特定労働者派遣や一般労働者派遣の届出や許可を受けた会社は、法令に基づいて様々な決まりごとをしなければなりません。例えば、次のようなことが会社に義務づけられています。

  • 派遣元責任者の選任
  • 派遣元管理台帳の作成
  • 派遣労働者への労働条件の明示
  • 派遣期間が満了することの通知

この他にも様々な決まりごとがありますが、法令を遵守して適正な派遣事業を運営する必要があります。決まりごとを守らず、それが発覚すると、事業停止命令など事業の存続そのものが危ぶまれる事態になりかねないのです。

アトラス総合事務所 社会保険労務士 安藤 幾郎  
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