アトラス総合事務所

アトラスNEWS

第173号 (2008年10月)
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エンジェル税制

1.はじめに

世の中では上場株式の株価がまるでジェットコースターのように上がったり下がったりしています。株式投資家は皆かなりの損失を蒙っていることでしょう。

株式投資家でもこのように上場株式に投資する人ばかりではありません。これから将来上場を目標とするベンチャー企業に投資する個人投資家もいます。

しかし、ベンチャー企業への投資はかなりリスクのある投資となります。そこで、ベンチャー企業育成という観点から、個人投資家のリスクヘッジを税制面からバックアップしようというのがエンジェル税制なのです。

2.投資時の優遇税制−その1

平成20年の税制改正でできた優遇税制で、平成20年4月1日以降のベンチャー企業への投資が対象となります。

内容は、なんとベンチャー企業への投資額から5,000円を引いた額を、その年の個人投資家の総所得金額から控除するというものです。

投資額を際限なく所得から控除できるということではなく、限度額も定められています。所得控除の対象となる投資額の上限は、総所得金額の40%と1,000万円のいずれか低い金額となります。これは寄付金控除とほぼ同様の限度計算となります。

総所得2,000万円の個人投資家が800万円をベンチャー企業に投資した場合、799万5,000円が所得控除となります。この結果、所得税は270万円くらい安くなります。 かなりの優遇税制です。

3.投資時の優遇税制−その2

ベンチャー企業への個人投資家の投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除できる優遇税制です。

この制度は以前からありますが、個人投資家が上場株式の売買などで利益を上げていることが前提で、今年のような株式相場が大暴落した状況では、この制度を利用したくてもできないのが現実です。

このようなことからこの制度は前年までの利用率が低かったため、前記した「その1」の優遇税制ができたのです。

4.譲渡時の優遇税制

未上場のベンチャー企業株式の売却によって損失が生じた場合には、他の株式譲渡益と損益通算することができますが、それでも損益通算しきれなかった損失については、翌年以降3年間繰り越して、その間の株式譲渡益と損益通算をすることができます。

株式譲渡損の繰越控除は、本来は上場株式等だけに認められている特例ですが、優遇税制としてベンチャー企業株式についても認められています。

なお、投資したベンチャー企業の株式を売却して利益が生じた場合に、その利益の2分の1にだけ課税する優遇制度は平成20年4月30日までの投資で廃止されました。

5.節税に使える

適用要件を満たせば、友人が会社を設立して、そこに出資することにより優遇税制を受けることも考えられますので、使い方次第で生きる制度といえます。

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最低賃金額が変わります

1.はじめに

従業員を雇用する場合には、賃金額を決定しなければなりません。賃金の支給形態(月給、日給、時給など)は自由に決めることができます。しかし、賃金額の決定には制限があります。一定の基準額を下回る賃金を支給することはできないのです。

この基準額を「最低賃金」といい、1時間当たりの額で定められています。

2.最低賃金の種類

最低賃金には地域別最低賃金と産業別最低賃金があります。

地域別最低賃金は都道府県ごとに定められており、各都道府県で異なった額が定められています。

主な地域の地域別最低賃金は次の通りです。

  • 東京都 766円(平成20年10月19日から)
  • 神奈川県 766円(平成20年10月25日から)
  • 千葉県 723円(平成20年10月31日から)
  • 埼玉県 722円(平成20年10月17日から)
  • 愛知県 731円(平成20年10月24日から)
  • 大阪府 748円(平成20年10月18日から)
  • 福岡県 675円(平成20年10月5日から)

産業別最低賃金は、産業別に定められており、例えば、出版業は805円、小売業は779円となっています。

3.最低賃金と比較する賃金は

最低賃金以上の賃金を支給しているかどうかを確認するときには、1年間の賃金(1ヶ月の賃金×12ヶ月)を1年間の所定 労働時間で割って算出した額を、最低賃金額と比較します

計算の際には次の賃金を除外します。

  • 精皆勤手当、家族手当、通勤手当
  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 時間外、休日、深夜の割増賃金

これらの賃金を除いて計算し、支給している賃金額が最低賃金額以上かどうかを確認します。

4.最低賃金額を下回ると

賃金額が最低賃金額を下回る場合には、早急に賃金額を見直し、最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

従業員と、最低賃金を下回る賃金で働くことを約束した場合でも、法的には最低賃金額以上の賃金を支払う義務を負います。

支払っている賃金額が地域別最低賃金を下回る場合には50万円以下の罰金になります。また、産業別最低賃金を下回る場合には30万円以下の罰金となります。

アトラス総合事務所 特定社会保険労務士 安藤 幾郎  
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