税金の税率
1.はじめに
多くの税金が、課税標準に税率を掛けて計算されます。個人にかかる税金である相続税、贈与税、所得税、個人住民税、個人事業税など、法人にかかる税金である法人税、法人住民税、法人事業税なども課税標準に税率を掛けて計算されます。
今回は、この税率について見てみましょう。
2.相続税の税率
| 課税標準 | 税率 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% |
| 3,000万円以下 | 15% |
| 5,000万円以下 | 20% |
| 1億円以下 | 30% |
| 3億円以下 | 40% |
| 3億円超 | 50% |
相続税額を計算するに当たっては、遺産額から基礎控除(5,000万円+相続人1人当たり1千万円)を差し引いて課税標準を求め、それに税率を掛けて一定の控除額を差し引いて計算しますが、ここでは控除額を無視します(以下同じ)。
3.贈与税の税率
| 課税標準 | 税率 |
|---|---|
| 200万円以下 | 10% |
| 300万円以下 | 15% |
| 400万円以下 | 20% |
| 600万円以下 | 30% |
| 1,000万円以下 | 40% |
| 1,000万円超 | 50% |
贈与税は、贈与財産額から110万円の基 礎控除を差し引いて課税標準を求めます。
4.相続税率と贈与税率
相続税の税率と贈与税の税率を比べてみると同じ税率でも課税標準の単位がゼロひとつ違います。15%の税率が適用されるのは、相続税は課税標準が3,000万円ですが、贈与税は300万円です。贈与税がいかに高いか分かります。
これは、生前に親から子に財産を贈与することは自由にできるわけですので、相続税逃れが簡単にできないように贈与税の税率を高率にしているのです。
5.個人所得税+住民税
| 所得 | 税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 15% |
| 195万円超330万円以下 | 20% |
| 330万円超695万円以下 | 30% |
| 695万円超900万円以下 | 33% |
| 900万円超1,800万円以下 | 43% |
| 1,800万円超 | 50% |
税率は、所得税と個人住民税の合計です。最高税率は、相続税・贈与税と同じく50%となります。個人で商売をしている人は、個人事業税(3%・4%・5%)がさらにかかります。
6.法人の税金との比較
法人の税金は、法人税と法人事業税、法人住民税があります。これらを合計した実効税率は、中小企業の場合には、所得が800万円まではおよそ30%、800万円を超えると税率は上がりますが、最高でも40%くらいになります。
事業をやるなら個人事業より法人でやると税金が有利になるということです。
労務トラブルと労務管理
1.はじめに
「突然、従業員から残業代の支払いを請求された」「退職後に解雇されたと言ってきた」など、従業員を雇用すると、必ずと言ってよいほど労働条件に関するトラブルが起こります。
しかし、適切な労務管理対策を講じることにより、これらのトラブルを未然に防ぐことができるのです。
2.残業代の支払いを請求される
従業員が時間外労働や休日労働をしたり、深夜労働をした場合には残業代(割増賃金)を支払わなければなりません。
残業代を支払っていないと、従業員が退職するときや退職した後に、在職中の残業代をまとめて請求されることがあります。
残業代の支払い方法を就業規則に定めることで、残業代をまとめて請求されるといったことがなくなります。
なお年俸制の場合でも残業代の支払いが必要なので注意が必要です。
3.残業代の支払い方
「基本給に残業代を含む」として残業代を支払わないケースがあります。この場合には、給与明細等で基本給にどれくらいの残業代が含まれているかを明らかにしなければなりません。
残業代の額が明確になっていない場合には、「基本給に残業代を含む」としていても、基本給の他に残業代を支払わなければなりません。
4.「辞めてしまえ!」は解雇になる
従業員を解雇するときには、30日前までに解雇を通知するか、通知しない場合には解雇予告手当(1ヶ月分の給与額に相当する額)を支払わなければなりません。
従業員に、「辞めてしまえ!」「明日からこなくてもいい!」と言ってしまい、従業員が出社しなくなったとしたら、これは解雇になってしまいます。こうなると、会社は、従業員に解雇予告手当を支払わなければならないのです。
従業員が勝手に出社しなくなったのだから「退職だ」と主張しても多くは認められません。
あまりにも勤務態度や勤務成績の悪い従業員がいるからといって、安易に「辞めてしまえ!!」というのは禁物です。このような場合には、就業規則に則って対処しなければなりません。
就業規則には、解雇事由や処分方法などを具体的に明記しておくことが重要です。
5.退職金や賞与の支払いを請求される
退職金や賞与を支払うかどうかは自由に決められます。退職金や賞与を支払うかどうかは、就業規則で明らかにしておかなければなりません。
退職金や賞与を支払うつもりがないのに、就業規則に「支払う」と記載がある場合には、早急に就業規則を変更しなければなりません。
就業規則に「支払う」と記載がある場合には、退職金や賞与を請求されたら必ず支払わなければならないからです。

