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第54号 (1998年9月)

コンピュータ関連の税務
 10年度税制改正の適用時期
  
コンピュータ関連の税務
★ ホ−ムペ−ジの作成費用
 


インターネットのホームページの制作を業者に委託した場合に要する費用の税務処理ですが、原則は「支出時の損金」です。
 

例外は以下の2点です。

   
1ホームページの使用期間が「1年」を超えるケ−ス。
   
 ホームページは企業や新製品のPRのために製作されるのが一般であり、その内容は頻繁に更新されるため、その制作費用の効果が1年以上に及ぶことは稀だと思いますが、「1年」を超える場合は、「繰延資産」としてその使用期間に応じて均等償却を行うことになります。
  
2 ホームページとソフトウエアが一体と見られるケース。
   
  ホームページが単なる宣伝媒体にとどまらず、ホームページからデータベースやネットワークへとアクセスできるような仕組みとなっている場合。

 このような高度なホームページの制作に当たっては、データベース等とアクセスするための「ソフトウエア」が必要になる。

 そこでこうしたケースにおいては、ホームページとソフトウエアを一体のものと見て、ホームページの制作費用は繰延資産の「ソフトウエアの開発費用」として5年間で均等償却することになります。
 
  

 .LANの耐用年数
 
 「LAN」設備(企業内情報通信網)を減価償却資産として計上した場合の耐用年数については、パソコン、ケーブルなど設備の構成要素全体を「一の減価償却資産」とみて、耐用年数「6年」を適用します。
 
 つまり、ハブ、ルーター等の接続・拡張装置、ケーブルなどの伝送媒体等のLANの構成設備単体ではなく、全体を耐用年数6年で償却します。
 
 2000年問題対応のソフト修正費用 
 
  「2000年問題」対応のみのソフトウエアの修復だけであれば、修繕費として一括損金算入できます。

 2000年問題の処理と同時に現行システムの見直しなども合わせた大規模な改修、文字どおりのバージョンアップであれば、日付部分が区分されてなければ全体が資本的支出として繰延資産となり、一時に損金算入できません。

 このような場合は、2000年対応費だけを明確に区分すれば、その部分だけ損金算入できます。
    
.インターネット取引と印紙税
 


 インターネットで商品取引や請負契約が行われた場合の印紙税の扱いですが、ポイントは印紙税の課税対象となる「文書が作成されたかどうか」ということになります。
  
 インターネットの場合、文字は確かにディスプレイ場で認識できるが、これは単にデータ(信号)が回線を往復するだけで、「文書そのものが存在しない」「印紙税の課税対象とはならない」という当局の見解です。
  
 では、画面をプリンタで打ち出した場合はどうでしょうか。結論的にはこの紙プリントも印紙税の課税対象とはなりません。

 プリントとはいえ、自らの有するデータを印刷しただけであって、相手先が了知しているわけではなく、したがって文書としての効果がなく、印紙課税は及ばないというわけです。

   

  
 今後インターネットを利用した
取引が活発になることは間違いなく、
印紙税節約の一手段として利用されるかもしれません。
   

  


(週間税務通信 税務研究会刊 より)

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10年度税制改正の適用時期   
 はじめに 

 

        
10年度の税制改正は法人税改正を中心とした、
かなり盛りだくさんな内容でした。

 ただ、この改正された項目が
同じ時期にいっせいに適用されるのではなく、
項目によっては適用される時期が違うのです。

 日常の会計処理や決算・税務申告処理で、
そこに注意しないと、
とんだ勘違いをすることになりかねません。

 そこで、適用時期により、主な税制改正項目を整理してみました。
       

  平成10年4月1日以後に開始する事業年度から適用される改正項目
 

   
この場合が大部分ですが、これであれば1年決算の場合、
来年の3月決算以後の法人から適用ということですから、
それより前の決算分であれば従来どおりというわけです。
もちろん4月1日以後の新設法人であれば適用があります。

1

法人税、事業税の税率引下げ

2

貸倒引当金の法定繰入率の段階的廃止

3

賞与引当金制度の段階的廃止

4

未払賞与の損金算入の取扱い

5

退職給与引当金の累積限度額の段階的引下げ

6

製品保証等引当金制度の段階的廃止

7

特別修繕引当金の積立限度額の引下げ

8

建物の耐用年数の短縮

9

少額減価償却資産の取得価額基準の10万円未満への引下げ

10

2分の1簡便償却の廃止

11

有価証券の低価法の切放し方式の廃止

12

割賦基準の廃止

13

簿外役員報酬および特殊関係使用人の過大給与、過大退職給与の損金不算入

14

交際費の損金算入割合の引下げ
 


平成10年4月1日以後に取得するもの、
       契約を締結するもの、
          あるいは終了する事業年度で適用がある改正項目等
    
 

 
今現在の会計処理や、
来年3月より前の決算、
税務申告にかかわってくる改正項目です。
特に注意してください。
↓
 

改正項目

適用

1

建物の償却方法が定額法に限定… 10年4月1日
以後取得分から適用

2

営業権の任意償却が5年償却に変更… 10年4月1日
以後取得分から適用

3

レバレッジド・リース資産などのリース期間定額法への改正… 10年10月1日
以後に締結したリース契約から適用

4

優良賃貸住宅の割増償却の割増率の引下げ… 10年4月1日
以後取得分から適用

5

社債発行差金の任意償却から償還期間償却への改正… 10年4月1日
以後発行分から適用

6

長期大規模工事の収益費用計上基準が工事進行基準のみに改正… 10年4月1日
以後に締結した請負契約から適用

7

利子・配当等の所得税額控除の4年間繰越控除特例の廃止… 10年4月1日
以後に終了する事業年度から適用

8

法人の土地重課で、超短期所有土地については廃止… 10年1月1日
以後の譲渡から適用

9

法人の土地重課で、短期所有土地(5年以下)、長期所有土地(5年超)については不適用 … 10年1月1日から
2年12月31日までの間の譲渡

10

新規取得土地等の負債利子の損金不算入制度の廃止… 10年1月1日
以後の取得から適用

11

通勤手当の非課税限度額の月額10万円の引上げ… 10年1月1日以後に受ける通勤手当から適用
 


   −井上 修− 




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