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第58号 (1999年 1月) 

キャッシュフロ−
 個人確定申告の改正点
  
1. キャッシュフロ−
★ 1.はじめに
   
 最近、新聞紙上においても「キャッシフロ−」といった文字が目立つようになりました。「キャッシュフロー」とはその名のとおり「お金の流れ」です。
  
このお金の流れを意味するキャッシュフローが従来からの企業業績指標である「利益」に対抗して今日重要視されています。
     
 2.なぜ注目?…黒字倒産の増加
    
 利益を追求する企業はよく「儲けてなんぼの世界」だと言われます。
   
この儲けを現す指標=「利益」です。
企業がいかに利益を出すかによりその会社の善し悪しは判断されています。「企業とは利益追求団体である」と言われています。このことは常識と言えます。

 この常識が、昨今の不況下での黒字倒産、つまり、「利益は出ているのに金の無い状況下での倒産」の増加により変わりつつあり、その代わりに登場したのが、「利益より金だよ」という、「キャッシュフロ−」です。

 前回に説明した税効果会計においても、その制度を採用するかしないかにより決算上の利益は大きく違ってしまい、「真実の利益はいったいどれなの」といったことも「信じるものはお金だけ」というキャッシュフローが注目される一つの理由です。

    
 3.なぜ注目?…銀行の貸し渋り 
  
 景気の良い時には、メインバンクが湯水のように資金を企業に貸し付けて、企業はそのお陰で特にお金の動きを利益ほど重要視していなかったといえます。

しかし、金融不安がささやかれ、銀行の自己資本比率の低下などによる貸し渋りにより湯水のように融資が受けられなくなった現状では、浮いたお金の範囲内で投資をするといった、キャッシュフロ−の考え方がよく言われるようになりました。
   
 4.キャッシュフロ−とは?
   


  キャッシュフロ−という言葉は、新しい言葉ではなく、経営分析の用語としては昔からある用語です。
教科書的には、「内部創出資金」つまり、会社が儲けて手元に残ったお金のことを意味します。計算式は次のとおりです。

税引後利益+減価償却費−配当・役員賞与

 つまり、税金差引後の利益からお金の支払のない経費である減価償却費を加算して、その利益から外部に支出する配当と役員賞与を差し引いたものが,1事業年度の儲けのうち手元に残るお金ということです。

 最近新聞紙上で,「キャッシュフローの範囲内で設備投資をする」といった記事は、儲けて手元に残ったお金の範囲内で次期へ投資をするという意味です。

もう銀行借入して投資をするのでなく、慎重に身の丈ほどの経営をしようということでしょうか。

 企業のお金が滞留してしまう在庫や売掛金・手形などを少なくして活用できるお金を多くしようというのもキャッシュフローの考え方です。

また、指標となる尺度を利益でなく,お金の入出金に求めて企業を運営していこうとするキャッシュフロー経営もキャッシュフローの考え方です。

 「信じられるのはお金だけ」とは何か寂しいものがありますが,これも時代の流れ、乗り遅れないようにしたいものです。

   


−井上 修−

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 個人確定申告の改正点
 

 
   
 今年3月15日までの10年分の個人の確定申告は、昨年と同じようにというわけにはいきません。
 結構たくさんの改正点がありますので、間違わないように注意してください。
 
                  
 1.扶養控除等の引上げ
 
1 16歳以上22歳以下の特定扶養親族の控除額が
53万円から58万円になります。
  
2 特別障害者の障害者控除額が
35万円から40万円になります。
3 扶養控除や配偶者控除に加算される同居特別障害者の加算額が
30万円から35万円になります。
  
 2.減価償却
 
1 平成10年4月1日以降に取得した建物の減価償却方法は
定額法のみとなります。
  
2 取得時期にかかわらず建物の耐用年数が短縮されます。

今まで定額法で毎年同じ減価償却費を計上していた人も10年分は短縮された耐用年数で計算しますので、減価償却費が今までより多くなるはずです。
    
3 年の中途で取得した減価償却資産についての2分の1簡便法が廃止されました。
  
4 取得価額20万円未満の一括損金算入が10万円未満に引下げられましたが、これは平成11年分以後ですので、平成10年分までは今までどおりです。
 
 3. 青色申告特別控除額
    
35万円から45万円に引き上げられま した。
   
 4. 特別減税
  
特別減税の額は、申告者本人について38,000円
控除対象配偶者、扶養親族については1人あたり19,000円となります。
ただし、特別減税前の所得税の金額が限度です。
 5. 住宅取得等特別控除の所得要件
  
所得要件の合計所得2,000万円以下3,000万円以下に引下げられました。
★ 6. 通勤手当の非課税限度額
  
平成10年分から月5万円月10万円に引き上げられています。
  
★ 7. 土地等の長期譲渡所得に対する税率
   
平成10年分から次のような2段階になります。
   
1 課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分

 26%(所得税20%、住民税6%) 
    
2 課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円超の部分

32.5%(所得税25%、住民税7.5%)
 8. その他

   

居住用財産を買い換える場合の譲渡損失の繰越控除制度が新設されました。


また、居住用財産の買い換え特例の適用要件が緩和されています。
  


 −井上 修−




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