アトラス総合事務所


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第61号 (1999年 4月) 

債権回収 - 続き
税法上の役員
  
1. 債権回収−続き
★ 1.第三者から返済してもらう
 
 保証をしていない以上、第三者にはたとえ親兄弟でも返済の義務はありません。しかし、身内としての義務感や世間体を気にして,債務者の両親などが「肩代わり」することもあります。
      
 2.代わりのモノで回収する
    
 自分の持っているローレックスの時計を債権者に渡して,借金を精算するようなやり方を,「代物弁済」といいます。

この「代物弁済」によると
そのモノの価値が債権額に満たなくても、債権額は消滅するので注意が必要です。つまり、100万円の債権の返済に50万円の価値しかない時計をもらったらそれでも100万円の債権は消滅してしまうのです。
     
 3.債権の「相殺」で回収する
    
 AがBに300万円の売掛金を持っており,BはAに200万円の貸し金債権があった場合,AはBに相殺する旨の通知をすれば、両者は相殺され、Aの売掛金は100万円となります。このように相殺は相手方への通知のみで、承諾は必要ありません。
   
 4.「債権譲渡」で回収する
   
 AのBに対する債権を、AがCに譲渡することを「債権譲渡」といいます。

Aはこれによりいくらかの資金を回収し、以後CがAに取立をすることになります。Aは債権をCに譲渡したことをBに内容証明郵便で通知することが必要です。Bの承諾書はなくても構いません。  
   
 5.破産手続きをとるぞと迫る
 
 本当に破産手続きをすれば費用と手間がかかりますので、破産管財人も置きません。「破産宣告」までの手続きをするのです。これにより債務者は破産者の汚名をきることになりますので相当効果があるはずです。
「破産宣告」が出たら同時に「破産廃止の決定」を裁判所に申し立てます。
 6.「支払督促」(旧「支払命令」) 
 
 簡易裁判所から「支払督促」を債務者に出してもらう方法で,それから2週間の間に債務者の異議申立てがなければ「仮執行宣言」へと進む手続きで,費用が安いのと簡略迅速です。
  
 7.「民事調停」による回収
   
 債権者の申立てにより簡易裁判所から債務者に呼出状が出され,相手を交渉のテーブルにつかせることができます。調停委員が間に入って話がまとまれば調停調書が作成され判決と同じ効力を持ちます。弁護士に依頼せずに当事者で十分に行え,費用も余りかかりません。
 8.「少額訴訟」
 
 30万円までの債権が対象ですが,弁護士も必要とせず,裁判所に出廷するのは1日だけで、その日のうちに原告と被告が証拠を出し合い,その場で判決が出る裁判制度です。
 
 売掛金が50万円ある場合,その内30万円を請求する「一部請求」が認められます。残る20万円は,もう一度少額訴訟で完全回収をすることもできます。また、特定の債務者でも,一年間に10回訴えて,300万円まで回収を図ることができます。


(「少額債権完全回収マニュアル」山本義夫著 明日香出版社) 

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 税法上の役員
 1.役員の範囲

 

 会社の役員といえば、社長や専務などを思い浮かべるでしょう。
商法では、代表取締役、取締役、監査役というようにいわれます。

 しかし税法では役員の範囲はかなり広く考えられています。
役員のつもりでない人たちも役員とみなされる場合があるのです。
 税法上の役員は次のように規定されています。

1  商法等の役員
 
    法人の取締役、監査役、理事、監事および清算人

2 1以外のみなし役員
  
    ・ 顧問、相談役でその法人の経営に従事しているもの
    ・ 同族会社の使用人で特定の株主に該当し、
     その法人の経営に従事しているもの
 2. 同族会社の特定株主
 
(1)同族会社の定義

 同族会社とはどんな会社かというのも税法で規定されています。
 同族会社とは、株主等の3人以下と同族関係者で、持ち株割合が50%以上となる会社です。

 もう少しわかりやすく言うと、株主の3つのグループで持ち株割合が50%以上となる会社です。

 たとえば最も持ち株の多い株主AとAの同族関係者をAグループとします。同族関係者とはAの親族等です。
 第2番目がBグループ、第3番目がCグループとすれば、これらのA,B,Cの3つのグループの持ち株の合計が全体の株数の50%以上であれば同族会社とされます。

(2)みなし役員とされる特定株主

 次のいずれにも該当すれば特定株主とされます。
  
1 持ち株の合計が50%以上に達するまでの株主グループに属している
2 その属する株主グループの持ち株割合が10%を超えている
3 その者とその者の配偶者の持ち株の合計が5%を超えている
 
 よくあるケースとして、同族会社の大株主である社長が、息子を自分の会社で使用人として雇用しているとします。息子はまだ若いし、他の社員の手前もあるので、役員にはまだしていません。
 しかし、相続対策のため息子に対して自社株を生前贈与していたというような場合に息子が使用人であるにもかかわらず、役員とみなされることが起こるわけです。
 3.役員に対する規制
 
 税法上役員に対しては次のような規制を行っています。

1 役員賞与は損金に算入しない。
(ただし、使用人兼務役員の場合は一定要件のもとに損金算入ができる。)
 
2 不相当に高額な役員報酬は損金に算入しない。

3 不相当に高額な役員退職金は損金に算入しない。

 ちなみに平成10年度の改正で、みなし役員とされない使用人でも役員と親族等である特殊関係使用人の場合は不相当に高額な給与は損金に算入しないという取り扱いができました。

 


 −井上 修−


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