アトラス総合事務所


アトラスニュース

NEWS目次へ NEWS前号へ NEWS次号へ

第64号 (1999年 7月) 

利益と収支と所得
解雇の法的取扱い
  
1. 利益と収支と所得
★ . はじめに
 
「利益は出ているのに手許にお金がない」、

「利益が出てないのに税金を納めることになってしまった」

 ということが間々あります。

利益とは、売上などの収益から人件費などの費用を差し引いたものを言います。

収支とは、ここではお金の入りを意味する収入から、お金の出を意味する支出を差し引いた残り(残ったお金)を言います。

所得とは、利益に税法上のプラスマイナスをしたもので、税率に掛け合わされるものを意味します。
 
 以下この3者の関係について説明します。
 2.利益と収支
      
 「勘定合って銭足らず」とは、利益はプラスだが,収支がマイナスの状態を言います。
 
 売上を計上して収益を計上しても、その代金を取りっぱぐれて収入がない場合がその典型です。
 
 利益が1億円出たので、そのお金で1億円の土地を買っても土地は費用とならず、利益は1億円のままです。しかし、収支はゼロです。これでは納税資金にも窮することとなります。通常このような状態になると金融機関から融資を受けることとなります。

 しかし、貸し渋りの今日、簡単には借入できません。
 
 そこで、利益より収支を重視して考える「キャッシュフロー」が注目されることとなったのです。
 「稼いだ金の範囲内で投資する」といった考えです。
   
 3.利益と所得
  

 
 税務署から芸能人やスポーツ選手の「所得番付」が毎年発表されます。
この「所得」ですが、これは税務用語で、税務上の儲けを意味しています。

 法人税では決算書の利益に税務上のプラスマイナスをして「所得」を計算します。
  
 そして納める税金は  「所得」 × 税率  により計算されます。 

 決算書の利益にプラスマイナスする項目の例として以下のようなものがあります。
1 プラスする項目
交際費…
      決算書上費用となっている交際費の20%は税務上は
      費用と見ないので利益にプラスします。
役員賞与…
      決算書上費用となっている役員賞与は税務上全額費用
      と見ないので利益にプラスします。
2 マイナスする項目

 雑収入で計上した法人税還付額。
 決算書上は収益となっているが、税務上収益と見ないので
 利益からマイナスします。 

  
 以上のようなプラスマイナス項目が多額にあると決算書上は赤字でも税務上の所得は黒字で納税が発生することがあるのです。
  

  

 4.実際にあった事例
    
 ゴルフ場の大変儲かる仕事をして利益を計上したは良いが、売上代金の回収が換金不能なそのゴルフ場の会員権だったケース。
  
 多額の利益を計上し、所得も多額で納税額も多額だが、資金が全くない状況で従業員の給料の支払も納税資金もない状況となりました。
ジャンジャン!

ページのトップへ

  解雇の法的取り扱い
 はじめに

 
 
 リストラや失業率の増加など雇用不安が高まっている世の中ですが、

解雇について基本的な法律上のポイントを押さえておきましょう。 
   
 1. 退職と解雇のちがい
   
退職
とは、労働者側で雇用契約を終了する意思がある場合です。一方、

解雇とは使用者側の一方的な意思で雇用契約を解除することです。

 昨今ではリストラということで、詐欺、脅迫まがいの退職勧奨により、従業員を退職に追い込む会社もあるようです。

 会社側としては、労働者が自分の意思で辞める退職扱いにしたいのです。解雇ということになると、その解雇がはたして法的に有効か無効かであとあと面倒な裁判沙汰になりかねないからです。
 2.解雇の制限
   
 労働基準法では使用者が勝手に解雇できない解雇制限の規定を設けています。
 次に該当する場合は、労働基準監督署に認定を受けた場合以外は解雇できません。

1 業務上の傷病の療養のための休業期間とその後の30日間

2 産前産後の休業期間とその後の30日間

3 労働者が労働基準法違反を監督署に申告したことを理由とする解雇

4 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇

5 労働組合の結成等を理由とする不当労働行為となる解雇

以上のほか、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法においても、
解雇を制限する規定が設けられています。
   
 3.解雇の正当事由
 
 上記の解雇制限規定に該当しなければ使用者は労働者を自由に解雇できるかというと、そうはいきません。
解雇するだけの正当事由が必要なのです。
それは今までの裁判上の判例から要求されています。

正当事由の例としては、

1 2週間以上の無断欠勤

2 会社内での暴力、窃盗など

3 転勤など業務命令に従わない

4 長期間の病気等による欠勤

5 職務能力が実際の勤務に耐えない

6 会社の倒産を回避する最後の手段として経営上の必要性がある
(整理解雇)

などです。
 4.解雇の予告制度
    
 解雇制限規定に該当せず、解雇する正当事由がある場合にはじめて、解雇が実施されるわけですが、すんなり即時解雇というわけにはいきません。

 労働基準法では、解雇の予告制度を設けています。

 すなわち、使用者が労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告するか、即時解雇する場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません

 ただし、日雇いや2ヶ月以内の短期間の労働者等は適用除外となります。

 また、天災等により事業の継続が不可能な場合、労働者の責めに帰すべき懲戒解雇の場合には労働基準監督署の解雇予告除外認定を受けて、解雇予告制度を適用しないことができます。
  


NEWS目次へ NEWS前号へ NEWS次号へ

アトラス総合事務所
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町31-14 岡三桜丘ビル2階
TEL 03ー3464-9333  FAX 03-3476-4665
代表者
公認会計士・税理士 井上 修
E-mail info@cpainoue.com


ホームページへ