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第91号 (2001年11月) 

日本勤務の外国人
不動産所得

1. 日本勤務の外国人
★ 1.はじめに

 
 近年繁華街や飲食店などで外国人が働いている姿をよく目にします。レストランのウエイター、解体業の手伝い、コンピュータソフト会社の開発者等と広い分野で活躍しています。
 多くは賃金の安さから雇用しているようですが、このような日本で勤務している外国人の税金の扱いについて見てみましょう。
 

 2.居住者と非居住者


日本で勤務している外国人の税金の扱いはその者が居住者か非居住者かにより異なります。
「居住者」とは次のいずれかに該当する個人をいいます。

1 日本国内に住所を有する者
2 日本国内に現在まで引き続き1年以上居所を有する者

 「非居住者」は居住者以外の者をいいます。
2の要件は客観的で日本に1年以上住んでいる外国人は居住者となります。
1の要件は単に住民票があればOKという問題ではなく、実務上は「日本に滞在する目的から1年以上在留期間があると推測される事実」があれば日本国内に住所を有する者として居住者とされます。

 居住者、非居住者の判定のために、外国人が所有しているパスポート、ビザ、在留資格認定証明書等の書類のコピーを保管しておくとよいでしょう。

 3.居住者の課税


 居住者である外国人を正社員もしくはアルバイトとして雇入れた場合の給与にかかる源泉徴収は原則として日本人社員と同じ扱いとなります。

 4.非居住者の課税


 非居住者である外国人を正社員もしくはアルバイトとして雇入れた場合の給与にか
かる源泉徴収は原則として20%の税率が課されます。
 また、非居住者は年末調整をすることもできません。

 5.租税条約


 租税条約とは日本と他国との間で締結されている税金を扱う場合の取り決めです。
 この租税条約で外国人の留学生や研修生に支払う給料が税金のかからない免税になる扱いをしています。

 日本と中国との間で締結されている租税条約においては、次の全ての要件を満たす限り所得税が免除され、源泉徴収する必要がありません(税務署に「租税条約に関する届出書」の提出が必要)。

1 教育・訓練を受けるため日本に滞在する学生、研修生であること。
日本語学校や各種学校の学生は該当せず、学校教育法1条の学校(小学、中学、高等学校、大学)であることが必要です。
2 現に中国の居住者であるもの、または来日直前居住者であった者。
3 その者の生計、教育または訓練のために受け取る給与であること。
中国の家族に給料のほとんどを送金していてはダメです。
 
 このような留学生及び研修生に対する免税の租税条約はほとんどの国と締結していますので、外国人を雇入れた場合にはその国の租税条約の内容を確認する必要があります。

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 不動産所得


個人が所有するアパートや貸家の家賃収入、駐車場の地代収入は所得税法上の不動産所得になります。不動産所得は所得税の課税上、いくつかの特徴的な取扱いをされます。それを次にみていきます。

 1.不動産所得の意義


不動産所得は、基本的には土地や建物など不動産の貸付けによる所得をいいます。
しかし不動産の貸付けでも以下のような税務上の扱いとなります。

1貸間、下宿は不動産所得となりますが、食事付きとなると事業所得または雑所得に区分されます。

2貸し駐車場は月極めで貸すような場合は不動産所得ですが、時間貸しのような自動車保管預かり業になると事業所得または雑所得となります。

3個人事業者が従業員のための社宅を提供して、その賃貸料を受取る場合は、不動産所得としないで事業付随収入として事業所得とします。

4広告のための看板などを土地、家屋の屋上や壁に設置させることにより受取る使用料は不動産所得となりますが、飲食店などの個人事業者が店舗内に他社の広告のポスターなどを設置させることによる収入は事業所得とされます。

 不動産そのものの貸付けだけでなく、地上権、地役権や借地権などの不動産の上に存する権利の貸付け、あるいは船舶や航空機の貸付けによる所得も不動産所得となります。ただし、船舶については総トン数20トン未満のものは事業所得または雑所得となります。

 また、不動産の上に存する権利の設定に際して一時的に受取る権利金なども不動産所得になりますが、建物所有目的の借地権設定などの対価で、土地の時価の50%を超えるようなものは実質的に土地の譲渡とみなして譲渡所得とされる場合もあります。
 

 2.事業的規模の取扱い

  
 貸家一軒の家賃収入でも、貸しマンションを数棟持っているような場合でも、同じ不動産所得となりますが、事業的規模であるかどうかにより課税上の取扱いが違ってきます。
 事業的規模の基準は通常「10部屋5棟」以上とされています。すなわちアパートなどの共同住宅では10部屋以上、独立の貸家などでは5棟以上が事業的規模の不動産所得とされます。

1青色事業専従者給与あるいは事業専従者控除は事業的規模であることを前提として適用されます。

2青色申告特別控除
 事業的規模の場合は正規の簿記の原則に基づく記帳による55万円の控除額、あるいは貸借対照表の添付による45万円の控除額が適用可能となります。
 事業的規模以外は記帳状況のいかんによらず10万円の控除額のみです。

3資産損失
 アパートなどの建替えの場合の旧家屋の取り壊しによる損失(資産損失)は、事業的規模の場合は全額必要経費になりますが、事業的規模以外の場合は不動産所得の金額を限度として必要経費に算入されます。
  すなわち事業的規模以外の場合には資産損失で不動産所得が赤字になることを認めず、他の所得との損益通算をさせないということです。

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