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第111号 (2003年07月) 

脱税の後始末は大変!
給与と源泉徴収

1. 脱税の後始末は大変!
★ 1.はじめに

 脱税事件に関する新聞記事をよく目にします。新聞に載るくらいの脱税ですから脱税額も巨額になります。しかし、脱税が発覚すると、脱税額が巨額なため、後始末は大変なこととなります。どれだけ大変か、ある芸能人の脱税の後始末を見てみましょう。
 2.追加納税も大変

 発覚した脱税額は2億円、個人及び法人で脱税していました。これだけの脱税額ですと法人と個人の追加納税額は脱税額の約半分弱になると思います。
 3.延滞金が大変

 追加納税額には延滞金という効率の罰則利息みたいなものが加算されます。当初の申告期限から2ヶ月の間は4.2%、それ以降追加納税額を全て支払い終わるまでに、14.6%のサラ金並みの利息がついてきます。
 4.さらに重加算税が

重加算税とは税金計算の基礎となる事実を隠蔽(故意に隠すこと)、または仮装(偽りよそおうこと)して税金をごまかした場合に課せられるペナルティーです。
 追加納税額の35%または40%の額を課せられることになるのです。
 5.罰金

今回のような悪質で巨額脱税ですと、法人税法違反および所得税法違反のいわゆる脱税罪で刑事罰を受けることになります。

刑事罰には鉄格子に入る実刑判決と罰金があります
罰金は実務上においては、脱税額の2割程度が相場になっているようです。今回のケースでは個人と法人の罰金合計額は5,300万円になったようです。

 6.贖罪寄付

 贖罪とは、「犠牲や代償を捧げて罪をあがなうこと。特にキリスト教で、キリストが十字架上の死によって、全人類を神に対する罪の状態からあがなった行為」とあります。つまり、脱税をしたことを寄付をすることによって罪をあがなう(罪ほろぼしをする)ということでしょうか。

 今回の脱税事件の張本人は財団法人法律扶助協会というところに500万円の贖罪寄付をしています。財団法人法律扶助協会とは、民事裁判費用の立替や無料法律相談を行っている財団法人です。ちゃんと受け皿があるのですね。

 この贖罪寄付をしたことの効果もあったのでしょうか、脱税の張本人は実刑判決ではなく、執行猶予付きの判決となっています。贖罪寄付がなかったなら、実刑判決になっていたかもしれません。世の中なんでもお金ですね。
 7.脱税は割に合わない

 脱税額2億円に対して、おそらく追加納税額と延滞金で約9,000万円、重加算税で3,500万円、罰金で5,300万円、贖罪寄付で500万円だとしますと、合計で1億8,300万円のお金が出て行ったことになります。

脱税なんて決して考えないでくださいね!
(参考文献:税務Q&A5月号P40「税金裁判の動向」三木義一著 税務研究会発行)

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 給与と源泉徴収


 給与の支払は人件費として企業の経費の柱といえます。給与の支払者には源泉徴収義務という納税義務が発生します。

 1.当初の規定の見直し

 給与に対する源泉税を求めるには「源泉徴収税額表」を用います。税務署でもらえますし、インターネットのタックスアンサーでもダウンロードできます。

 「源泉徴収税額表」で日常ひんぱんに使用される「月額表」と「日額表」をみていきましょう。

1 月額表

 月ごとに支払う月給に適用されるものです。日額が決められていて、それをまとめて月ごとに支払う、いわゆる「日給月給」もこの月額表によります。
そのほか、半月ごと、10日ごと、月の整数倍ごとに支払う給与も所定の方法でこの月額表により源泉税を算出します。

2 日額表

毎日支払う日給に適用します。
そのほか、中途就職、中途退職の日割分など上記の月額表を適用できない場合には日額表が用いられます。
 2.甲欄、乙欄、丙欄

月額表には甲欄、乙欄の適用区分があり、日額表には甲欄、乙欄、丙欄の適用区分があります。

1 甲欄

 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している者に対して支払う給与に適用します。この扶養控除等申告書の提出先からの給与を「主たる給与」といい、1か所しか認められません。その他の企業から給与の支払いを受けている場合は、それは「従たる給与」となります。

 甲欄では、扶養控除等申告書の扶養親族の数、老年者、障害者に該当するかどうかにより、その人数を決定し、その人数に応じて源泉税が決められています。人数が多いほど源泉税が軽減されます。

2 乙欄

 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない者および「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している者に対して支払う給与に適用します。
 給与を1か所からのみ受けている者でも、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していなければ、乙欄になります。

 「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出する場合とは、主たる給与において扶養控除が控除しきれない場合です。たとえば扶養親族が3人で、主たる給与において扶養2人で源泉税がすでに0となってしまう場合に、従たる給与の支払先で乙欄の税額に対して扶養1人を考慮して源泉税を算出してもらうことができます。

 乙欄の税額は甲欄に比べて高めで決められています。また年末調整の対象になりませんから確定申告で精算することになります。

3 丙欄

 日額表には丙欄があります。これは日々雇い入れられる者、すなわち日雇労働者に対して支払う給与に適用します。
 また、2ヶ月以内の短期間雇用の場合にも適用します。

 日雇労働者も含めて雇用期間が継続して2ヶ月を超える場合は、甲欄または乙欄の適用になります。
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 代表者公認会計士・税理士 井上 修
 
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