新聞に「内部統制」という聞き慣れない言葉がよく出てきます。今日の新聞(6月15日)にも、「上場会社の経営者に内部統制が有効に機能していることの証明書を出させる」との記事がありました。今回は、この内部統制について見ていきましょう。
内部統制(Internal Control)とは、会社内部における組織的なチェック体制のことを言います。公認会計士の専業業務である会計監査においては、まずこの内部統制の有効性をチェックします。会社内部での組織的なチェック体制が整っていれば、組織内部での不正や誤謬は事前に防げ、それにより会計データの信憑性も保てるものと考えるからです。
公認会計士協会から出版された「内部統制のチェックリスト」というもので監査対象会社の内部統制をチェックしていました。ですから、内部統制は会計士の得意分野と言えるのです。
現金の管理を例に説明します。現金そのものの管理から現金出納帳の記入、銀行からの現金の引き出しをすべて同一人が行って、そして誰もそれをチェックしません。このような状況では、現金管理担当者が私用で手にした領収書を会社のものとして、引き換えに現金を懐に入れてもバレません。
現金そのものを管理する人と、現金出納帳を記帳する人を分け、更に両者の業務を日々別の人がチェックして承認するシステムを入れれば、現金をネコババすることもできません。このシステムが内部統制なのです。このような、金銭管理だけでなく、商品の発注→納品→検品→支払、在庫管理、商品の受注→納品→請求→入金といった一連の業務について、全社的な内部統制が要求されます。
世界的な会計事務所であるアーサーアンダーセン会計事務所は、エンロン事件で姿を消しました。NHKの制作費詐取も受信料拒否で大問題です。三菱自動車のリコール隠しは、まだ尾を引いています。
これらの事件の原因として内部統制の欠如が挙げられているわけです。確かに組織的なチェック体制が有効に機能していれば、これらの不正は理論的には事前に防げることになります。しかし、実際はどうでしょう?ある程度権限のある者が組織的に結託したら内部統制も無力だと思うのですが?
監査法人に勤めている会計士が言っていました「内部統制のチェックリストどおりのチェック体制を作ったら業務が回らなくなった」と。これは本当の話で、やはり程度問題ということです。実際、アメリカでは内部統制組織を整備運用するための費用負担が社会問題化しています。
内部統制を有効にするには、業務分担のための人員が必要です。しかし、中小企業はそんなことはできません。でも、「何でも従業員が1人で、すべてをできないようなチェック体制」は作る必要があります。もう一度、業務体制を見直してみましょう!
毎年、6月後半に社会保険事務所から算定基礎届提出の通知が送られてきます。今年もそろそろ事業所に通知がやってくる頃です。届出書類を作成する際は、対象従業員とそうでない従業員を明確に把握しておく必要があります。
社会保険適用事業所においては毎年算定基礎届の提出が義務付けられています。4月、5月、6月の3ヶ月間の給与額(報酬額)を基にその年の9月からの保険料を決定します。5月に資格を取得した従業員は5月と6月の給与を基に保険料を決定します。これらを定時決定といいます。9月分の保険料から変更されるので、10月支給の給与から変更後の保険料が控除されることになります。今年から平成29年まで毎年、厚生年金保険料が9月に引き上げられますので、定時決定で保険料が上がる場合には、同じタイミングでさらに保険料が上がることになります。
算定基礎届の対象となる従業員は、7月1日に被保険者である従業員です。ただし、6月1日以降に資格を取得した従業員は対象外となります。また、7月、8月、9月に月額変更予定の従業員も算定基礎届の対象外です。4月に給与額の変更があり、7月に月額変更届提出の必要がある従業員については算定基礎届の提出に換えて月額変更届を提出します。
7月1日に被保険者である従業員が算定基礎届の対象者ですので、6月30日に退職した従業員は対象外で、7月1日に退職した従業員は対象となります。社会保険の資格喪失は退職日の翌日ですので、6月30日退職の場合は7月1日が喪失となり、7月1日には既に資格を喪失していることになります。また、同じように考えると、7月1日退職の従業員は7月2日に資格を喪失しますので、7月1日時点では資格をまだ喪失していないことになります。
育児休業が終了し、子を養育しながら働く場合、給与が下がることがあります。このような時に申出をすることで、下がった給与に応じた保険料を納めることができます。つまり、給与が下がったにもかかわらず、下がる前の給与に基づいた高い保険料を納める必要がなくなることになります。これを育児休業等終了時改定といい、3歳未満の子を養育する場合に適用されます。
7月、8月、9月に育児休業等終了時改定の提出予定の従業員は算定基礎届の対象外となります。
病気欠勤で4月から6月までの給与が支払われなかった時や、給与の一部が遅配された時などについては特殊な扱いをしますので、書類作成時にはご注意ください。
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