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第136号 (2005年08月)
税務調査は、ここを見る
時間外労働と賃金

1. 税務調査は、ここを見る

1. はじめに

毎年7月10日は税務職員の異動日です。ですから異動が終わり、税務署内も落ち着いてきた7月下旬から会計事務所に税務調査の連絡が入り始まります。当事務所でも、7月中に税務調査の連絡が4社ほどありました。税務調査は8月から11月までが最盛期となります。税務調査で調べられるポイントについて説明します。

2.売上げや仕入の期ズレ

調査官が100%見るのが、「売上高が本来であれば当期に計上されなければならないのに翌期に計上されていないか」。「仕入高や外注費の計上が、本来であれば翌期に計上されるものが、当期に計上されていないか」、ということです。期ズレといわれるもので、ポイントは、「売上や仕入・外注費が納品や役務提供完了時に計上されているか」ということです。

よく勘違いされるのが、「決算月に納品したのだけれども、決算月に請求書を出さなければ売上は計上しなくても良いのでは?」ということがありますが、これはダメですので注意してください。

3.締め後売上

これも期ズレの一種です。毎月20日締めで請求書を発行している場合、決算月の21日から月末日までに納品された商品を拾い出して、売上高として計上しなくてはなりません。

4.収入印紙

最近の税務調査で必ずといってよいほど見るのが、契約書に収入印紙が貼ってあるかどうかの調査です。請負契約書、取引の基本契約書、金銭消費貸借契約書などの書類に、収入印紙が貼ってあるかどうか事前にチェックしておきましょう。

5.源泉徴収簿と年末調整書類

源泉徴収簿とは各人別の月ごとの給与支給額と源泉徴収税額が記載されているもので、賃金台帳のことです。この源泉徴収簿の金額と決算書に計上されている給与・賞与額がチェックされます

また、最近の傾向として年末調整の書類がチェックされます。年末調整の添付書類などは、確実に本人から提出してもらって、会社で保管しておく必要があります。

6.売上と仕入と在庫(売上と外注費と仕掛)

 これも最重要ポイントです。売上と仕入と在庫の関係については、特に決算日を挟んだ取引に関して慎重に整理してください。

(1)「決算日近くで仕入れた商品が在庫に計上されているか?」
つまり、仕入れた商品が在庫で計上されていないと、売上原価が過大計上となって、税務調査で指摘されてしまいます。
(2)「計上されている外注費に対応する売上が計上されているか?」
外注費の計上は、それに対応する売上高とペアで必ず計上されなくてはなりません。 
 もし、翌期に売上が計上されるのであれば、今期に支払った外注費は「仕掛品」  又は「前払金」といった資産勘定で処理して、翌期の売上高に対応させましょう。
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修  
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1.時間外労働と賃金

1. はじめに

時間外労働に対する賃金が不払いになっていたため、労働基準監督署の指導を受けて過去に遡って支払うことになった事業所があるようです。そのようなことにならないためには、時間外労働に関する制度を正確に理解することが必要です。

2.時間外労働の適法性

労働基準法では1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならないことになっています。時間外労働をさせるには、まず、労使間で協定を結び、それを労働基準監督署へ届け出なければなりません。

3.時間外労働の義務付け

協定を届け出ることで、会社が従業員に時間外労働をさせても構わないことになります。時間外労働をさせるようであれば、会社は労働契約等を根拠に従業員に対して時間外に働くことを命令することができます。

4.時間外労働の給与額は

時間外労働の給与は通常の給与額に2割5分以上の率を掛けた額となります。時間外労働が22時から5時までの深夜にあたる場合は5割以上の率を掛けた額となります。1日の労働時間が10時間だとすると、8時間を超えた2時間が時間外労働となり、また、1時間あたりの給与額が1,000円だとすると「1,250円(1,000円×1.25)」が1時間当たりの時間外労働の給与額、「2,500(1,250円×2時間)」が時間外労働分の給与額となります。

5.労働時間の端数処理は

上記4の例では、時間外労働は2時間でしたが、実際は1時間20分だとか2時間36分といったように、半端な時間が発生します。時間外労働時間を算定するときに15分未満を切り捨てたり、30分未満を切り捨てたりしていることがあります。つまり、残業を15分単位、もしくは30分単位でつけるという扱いです。しかし、時間外労働は1分単位で計算しなければならないのです。よって、15分未満、30分未満を切り捨てることはできません。例えば1時間20分の20分を切り捨ててしまうと、20分間の仕事に対する給与が不払いとなってしまいます。こうなると、賃金の全額払いの原則に反し、さらに、時間外割増賃金の不払いとなり、1回で2つの違反を犯すことになってしまいます。新聞で報道されたマクドナルドはこの例です。

6.労働時間の切り捨てができる場合

4.で簡単に時間外労働の賃金額の算出方法を紹介しましたが、時間外労働は1ヶ月に何日も発生しますので、実際には時間外労働に対する賃金は「時間単価×1.25×1ヶ月の時間外労働時間」で算出することになります。こうして算出した1ヶ月の時間外労働時間において30分未満の端数が発生した場合、30分未満を切り捨て、30分以上を切り上げることができます。労働時間を切り捨てることができるのはこの場合のみとなります。

アトラス総合事務所 社会保険労務士  安藤 幾郎
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