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相続について

〔結婚してはいけないケース〕近い血族同士

近い血族同士は結婚してはいけない

 民法上、結婚してはいけなケースはいくつかあるのですが、その1つに『近い血族同士は結婚してはいけない』という定めがあります。(民法第734条

血族とは?

 血族には、大きく分けて『自然血族』と『法定血族』があります。

〔自然血族〕

 これは、親子や兄弟姉妹などのように出生による血縁関係がある者をいいます。
まさに『血の繋がりがある者』というわけです。

〔法定血族〕

 これは、本来は血の繋がりが無いのですが、法律上血縁関係があるものとみなされる関係にある者を
いいます。
 具体的には、養子縁組による養親と養子との関係がこれに該当します。

結婚してはいけない血族とは?

 では、結婚してはいけない血族とは何でしょうか?
 
 民法第734条では、結婚してはいけない血族の範囲として下記のように定めています。

〔結婚してはいけない血族〕

   ■直系血族
   ■三親等内の傍系血族

直系血族同士は結婚出来ない

 直系血族とは、自分からみて、自分の両親、祖父母等といった先祖に該当する親族と子供や孫等といった子孫に該当する親族を指します。

 つまり、自分と直線的に繋がっている先祖や子孫に該当する者同士は、結婚する事が出来ません。

直系血族同士には親等数に制限が無い

 民法第734条においては、『直系血族同士は結婚出来ない』と定められており、次に掲げる『三親等内の傍系血族』のように親等数に制限がありません。

 つまり、直系血族同士の場合には、どんなに親等数が離れていても絶対に結婚出来ない事になります。

三親等内の傍系血族同士は結婚出来ない

 傍系血族とは、自分からみて、自分の兄弟姉妹やおじおば等といった自分と共通の始祖を通じて繋がっている血縁のある親族を指します。

三親等内の傍系血族とは?

 では、三親等内の傍系血族とは、具体的にどの範囲を指すのでしょうか?

 それは、自分からみて下記の親族が該当します。
   ■兄弟姉妹
   ■兄弟姉妹の子供である甥っ子姪っ子
   ■おじおば

 これらの親族同士は、どんなに愛し合っていても(一般的に無いと思いますが・・・)結婚する事は出来ません。

結婚出来る傍系血族は?

 傍系血族の場合、直系血族の場合と異なり『三親等内』と親等数に制限があります。

 つまり、自分からみて四親等以降の傍系血族であれば、結婚する事が出来るのです。

 具体的には、自分から見て『甥っ子や姪っ子の子』や『おじおばの子である“いとこ”』といった親族以降の親等数である傍系血族であれば、結婚が可能です。

 自分から見て『甥っ子や姪っ子の子』や『おじおばの子である“いとこ”』というと案外自分と近い傍系血族という感じがしますが、結婚する事が出来るのです。意外ですね。

養子の場合

 養子縁組をすると、養子と養親との関係は、血続きの親子と同じ取り扱いを受けます。 
 従って、養親側に実子がいれば、その実子と養子とは、法律上兄弟姉妹として取り扱われます。

 上記で説明したとおり、自分の兄弟姉妹とは、結婚する事は出来ません。

 養子縁組をすると、養親側の実子と養子とは、兄弟姉妹として取り扱われますので、当然両者は結婚出来ないと思われがちですが、実は結婚出来るのです。

養親の実子と養子との結婚

 自分が養子になった場合において、養親側に実子がいると、自分とその実子は、法律上は兄弟姉妹として取り扱われますが、この両者同士は、結婚する事が出来るのです。(民法第734条但し書き
 法律上の兄弟姉妹とはいえ、何だか不思議な感じがしますね。

実親・実の兄弟姉妹との結婚

 養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。

 普通養子縁組の場合は、実親や実の兄弟姉妹との親族関係は継続しますが、特別養子縁組の場合は、実親や実の兄弟姉妹との親族関係は終了します。

 この特別養子縁組により実親や実の兄弟姉妹との親族関係が終了したとしても、その養子となった者とその者の実親や実の兄弟姉妹との結婚は出来ません。

 法律上は、親族関係が終了したとはいえ、近親婚は出来ないという訳です。
 これは、何となく自然な感じがしますね。

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