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相続について

認知の取消しは出来ない

認知の取消しは出来ない

 婚姻外で生まれた子(非嫡出子)について、その父又は母は、これを認知する事が出来ますが、一旦有効となった認知は、これを取り消す事が出来ない事となっています。(民法第785条

絶対に取り消せない?

 認知の取消禁止を定めた民法第785条では、『認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない』と定めています。

 確かに条文の文言だけをみれば、一旦認知をした以上は、これを取り消せないように思えます。

 その一方、民法第786条では、『子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる』として、認知された子や認知の為身分上不利益を受ける者は、真実の親子関係が存在しないという旨の訴えを提起出来るとしています。

 つまり、一旦成立した認知について、その無効を訴える事が出来る旨が定められています。

 そこで例えば、その認知が、実は血縁関係の無い認知であった場合には、どうなるのでしょうか?

 実は、この点について『取り消し請求が可能』という最高裁の判決が出ているのです。

(最高裁判決)血縁関係の無い認知は無効

 最高裁では、2014年1月14日に『認知した者は、その認知の無効を主張することが出来る』という旨の判決を出しています。

 つまり、法律の文言と異なる判決を示しているのです。

 では、この事案は、どのような内容だったのでしょうか?

事案の概要

 この事案の原告である男性は、平成15年にフィリピン人の女性と結婚をしました。
 
 その後、平成16年2月にこの男性は、自分と血縁関係が無い事を知りながら、当時8歳になる結婚相手の女性の娘を自分の子として認知しました。

 その認知をした後、この男性は離婚する事となり、その離婚した妻の娘についてした認知についてその無効を提起していたという事案です。

一律的な認知の取消禁止は相当ではない

 この最高裁判決によると、『認知をするに至る事情はさまざまで、認知者による無効の主張を一切許さないとするのは相当でない』とし、この認知無効を訴えた男性は、民法第786条に定める『利害関係人』に該当し、娘との血縁関係の無い今回のケースでは、男性の無効請求が認められると判断されました。

初の司法判断

 以前から学説上では、『血縁関係の無い認知は無効』とする考え方が主流だったようですが、実際に一旦成立した認知に対するその認知をした父からの認知無効の訴えの可否について最高裁が判断を示すのは、今回が初めてだそうです。

≪終わり≫

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