アトラス総合事務所

HOME » 相続について

相続について

相続人の順位

相続人の範囲

 相続人となる者の範囲は、下記のとおりです。
  ■配偶者
  ■子及びその代襲者(再代襲者を含む)
  ■直系尊属
  ■兄弟姉妹及びその子

 では、これらの者が同時に複数存在する場合には、その『相続人となる順位』は、どのようになるのでしょうか?

相続人の順位

 相続人となる順位は、次のように定められています。

配偶者

 被相続人の配偶者は、常に相続人となります。

 よって、配偶者の他に相続人となる資格を有している者(α)がある場合の相続人の組み合わせは『配偶者+α』という事になります。

 この『α』に入る者の順番が民法において定められているのです。

〔配偶者とは?〕

 なお、ここでいう配偶者とは、民法の婚姻関係にある配偶者を指します。

 つまり、市区町村役場に婚姻届出を提出し、受理された夫婦の配偶者でなければなりません。

 よって、いわゆる内縁関係にある者は、原則として被相続人の財産を相続する事は出来ないのです。

〔配偶者に代襲相続は認められない〕

 本来なら相続人となる筈だった被相続人の子や兄弟姉妹が、その被相続人に対する相続権を失っている場合には、その相続人となる筈だった者(被代襲者)に代わり、その被代襲者の子(被相続人の孫、或いは、被相続人の甥・姪)が相続する代襲相続が認められています。

 しかし、配偶者には、このような代襲相続は認められていません。

 何故なら、被代襲者に代わり相続する者(代襲相続人)は、被代襲者の子である為、配偶者を代襲するという事は、結局は配偶者の子、つまり被相続人の子が相続する事になるからです。

子及びその代襲者

 被相続人の子は、第一順位の相続人となります。(民法第887条

 被相続人の子等が、既に相続権を失っている場合における代襲者(被相続人の孫)や再代襲者(被相続人の曾孫)も同様に第一順位の相続人となります。

 よって、被相続人に子の他に直系尊属や兄弟姉妹といった相続人となる資格を有している者があったとしても、子が優先的に相続人になり、直系尊属や兄弟姉妹は相続人になる事は出来ません。

 また、被相続人の配偶者は、常に相続人となりますので、配偶者の他に子・直系尊属・兄弟姉妹がある場合の相続人の組み合わせは、『配偶者+子』となり、直系尊属と兄弟姉妹は相続人になる事は出来ません。

〔子の区別〕

 ここでいう『子』には、実子と養子の別や嫡出子と非嫡出子の別による差は無く、いずれも同じ第一順位の相続人となります。

直系尊属

 被相続人の両親や祖父母と直系尊属は、第二順位の相続人となります。

 よって、直系尊属が相続人となり得るパターンは、次の2つです。
  ■被相続人に子(子の代襲相続人を含む)がいない場合。
  ■被相続人に子(子の代襲相続人を含む)があるが、その子の全員が相続権を失っている場合。

 なお、被相続人の配偶者は常に相続人となりますので、上記の場合において被相続人の配偶者がある場合の相続人の組み合わせは、『配偶者+直系尊属』となります。

〔親等数の近い方が優先〕

 父母と祖父母といった具合に直系尊属の親等数が異なる場合には、その親等数の近い方が優先されます。

 例えば、父母と祖父母であれば、被相続人に親等数が近い父母が優先して相続人になるという訳です。

 従って、例えば、被相続人の父母の内、母親が既に死亡している場合には、父親のみが相続人となり、母親の代わりに母親の両親(つまり、被相続人の祖父母)が相続人になる事はありません。

〔父母が死亡している場合は?〕

 一方、もし被相続人の父母が双方とも既に死亡している場合には、父母の両親(つまり、被相続人の祖父母)が相続人となります。

  この場合、父方の父母・母方の父母の区別に差は無く、各々平等に相続します。

〔直系尊属の区別〕

 直系尊属には、実父母と養父母の別、或いは、親子関係が嫡出と被嫡出の別がありますが、これらの別による差は無く、いずれも同じ第二順位の相続人となります。

兄弟姉妹

 被相続人の兄弟姉妹は、第三順位の相続人となります。

 従って、兄弟姉妹が相続人となり得るパターンは、次のとおりです。
  ■被相続人に第一順位の相続人である子(その子の代襲相続人を含む)及び第二順位の相続人であ    
   る直系尊属の両方がいない場合。

  ■被相続人に第一順位の相続人である子(その子の代襲相続人を含む)又は第二順位の相続人であ 
   る直系尊属のいずれかがいるが、これらの者のいずれも相続権を失っている場合。

〔全血と半血〕

 被相続人の兄弟姉妹には、その被相続人と父母を同じくする者(全血兄弟姉妹)と父母の一方のみを同じくする者(半血兄弟姉妹)の別がありますが、その別による差は無く、いずれも同じ第三順位の相続人となります。

 但し、法定相続分については、半血兄弟姉妹の法定相続分は、全血兄弟姉妹の法定相続分の1/2となります。(民法第900条4号但し書き

〔再代襲相続は認められない〕

 兄弟姉妹にも代襲相続は認められていますが、代襲相続人となれるのは、兄弟姉妹の子(被相続人の甥・姪)までとなっています。

 従って、兄弟姉妹の子の子(被相続人の甥・姪の子)は、代襲相続に人となる事は出来ません。

 これに対し、被相続人の子については、その被相続人の孫を被代襲者、被相続人の曾孫を代襲相続人とする再代襲相続が認められています。

相続人の順位(まとめ)

 以上をまとめると、相続人の順位は、次のとおりとなります。
 
 ■配偶者
   常に相続人となる。
 ■子及びその代襲者(再代襲者を含む)
   第一順位相続人となる。
 ■直系尊属
   第二順位の相続人となる。
 ■兄弟姉妹及びその子
   第三順位の相続人となる。

 配偶者は、常に相続人となりますので、『配偶者+α』となり、この『+α』の部分に子・直系尊属・兄弟姉妹が上記の順位で加わる事になります。

≪終わり≫

« 記事一覧に戻る

ページの先頭へ