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相続について

養子縁組の取消し_無許可で被後見人を養子にした場合

被後見人を養子にするには?

 後見人が、後見人によって保護される未成年被後見人や成年被後見人を自分の養子とする場合には、その養子となる者の住所地域にある家庭裁判所の許可を得なければなりません。
民法第794条

 後見人が、被後見人を自分の養子とし、「生涯面倒をみよう」というのであれば、一見好意的な行為に見えますが、家庭裁判所の許可が必要なのは何故でしょうか?

不正を防止する為

 家庭裁判所の許可が必要としている理由は、後見人の不正を防止する為と言われています。

 例えば、未成年である姪っ子の財産を管理している後見人のおじが、その管理している財産を着服したり、或いは、管理を失敗して損失を出してしまった場合等にこれらの事実をごまかす為にその姪っ子を自分の養子にしてしまう、という不正が行われる場合があります。

 養子にしてしまえば法的には「親子」となりますので、「親が子の財産を管理するのは当然」という言い分の下、着服や財産管理の失敗をあやふやにされがちです。

 このような不正を防止する為に後見人が被後見人を養子にする場合には、家庭裁判所の許可が必要と定められている訳です。

財産管理の計算が完了しない間も同様

 後見人としての任務は終了したものの被後見人の財産計算がまだ完了していない場合には、その財産計算が完了していない期間中も家庭裁判所の許可無しに後見人が被後見人を養子にする事は出来ません。

条件に違反した養子縁組は?

 上記のとおり、後見人が被後見人を養子とする場合には、家庭裁判所の許可が必要です。

 しかし、何らかの理由により、家庭裁判所の許可を得ずに養子縁組が成立してしまった場合にはどうなるのでしょうか?

取り消しの対象になる

 家庭裁判所の許可を得ずに成した養子縁組は、取り消しの対象となります。(民法第806条

 この取り消しは、養子本人又は養子の実家側の親族から家庭裁判所に請求する事が出来ます。

取り消しが出来なくなってしまう場合もある

 上記の取り消しの請求は、後見の為の財産管理計算が完了した後、養子本人が改めてその養子縁組を承認(追認)したり、又は、その財産管理の計算完了の時から6ヶ月を経過してしまうと、原則としてその養子縁組を取り消す事は出来なくなってしまいます。

承認(追認)するには条件がある

 上記のとおり、後見の為の財産管理計算が完了した後、その養子本人が改めてその養子縁組を承認してしまうと、その養子縁組を取り消せなくなってしまいます。

しかし、その承認をする為には、養子本人が成年に達しているか、又は、行為能力を回復、つまり、後見開始の審判が取り消された後でなければ、その承認は効力を生じません。

よって、財産管理計算が終了した後、成年に達する前や後見開始の審判が取り消される前に養子本人がその養子縁組を承認したとしてもその承認は無効となり、養子縁組の取り消し請求が出来る事となるのです。

「6ヶ月」には特例もある

 上記のとおり、後見の為の財産管理計算が完了した後、6ヶ月を経過してしまうとその養子縁組の取り消し請求は出来なくなってしまいます。

 しかし、財産管理計算が完了した時点において、その養子が成年に達しておらず、又は、後見開始の審判が取り消されていない場合には、「6ヶ月」の起算は、養子が成年に達した時、又は、後見開始の審判が取り消された時から起算します。

 つまり、財産管理計算が完了してから既に6ヶ月を経過してしまったとしても、その6ヶ月を経過した時点において、養子が未成年だったり、又は、後見開始の審判が取り消されていなければ、未だその養子縁組の取り消し請求は出来る事となります。

≪終わり≫

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