相続税が課税される財産とは?
取得原因別にみた相続税が課税される財産
相続税が課される財産をその取得原因別にみた場合、下記の3つに大別されます。
■相続
■遺贈
■死因贈与
相続による取得
相続とは、特定の個人(甲)に帰属する財産(現金預金、土地建物、有価証券等々)と債務(住宅ローン等の借入金や未払債務等々)が、甲の死亡という原因に基づいて、甲と身分関係を持つ者、つまり配偶者や子等の相続人に包括的に承継され移転する事象を指します。
この相続により相続人が取得した財産には、相続税が課される事となります。
遺贈による取得
遺贈とは、被相続人が遺言(遺言書)により、法定相続人又は法定相続人以外の者に財産や債務を相続させる事を指します。
遺言(遺言書)による財産取得も結果的に相続により取得した場合と経済的効果が変わらない事から、相続税が課される事となります。
死因贈与による取得
死因贈与とは、例えば、ある個人甲が、「私が死亡したら、この土地を乙に差し上げます。」と意思表示し、これに対し相手方である乙が「有難く頂きます。」と意思表示する事によって成立する贈与契約の一種です。
このように契約内容としては、贈与契約ですが、贈与者である甲の死亡をその成立条件としており、結果的に相続による財産取得と経済的効果が変わらない事から、死因贈与により取得した財産に対しても相続税が課される事となるのです。
財産とは?
相続・遺贈・死因贈与により取得した財産に対して相続税が課される事は、前述したとおりです。
では、ここでいう「財産」とは、具体的にどのようのモノを指すのでしょうか?
金銭に見積もれるモノは全て
相続税の課税対象となる「財産」とは、一言で言うならば「金銭に見積もることが出来るモノ全て」という事になります。
有形物はもちろん、無形物も
相続税の課税対象となる財産は、「金銭に見積もることが出来るモノ全て」という事になりますが、具体的には、現金預金、土地建物、有価証券等といった有形財産はもちろんの事、債権や特許権、著作権等といった無形財産も課税対象となります。
また、完成・未完成を問いませんので、例えば、相続開始時点で被相続人が建築途中の自宅建物等も相続税の課税対象となりますので、失念しないよう注意が必要です。
非課税となる財産もある
しかし、「金銭に見積もることが出来るモノ」であれば、何でもかんでも相続税が課される訳ではありません。
財産の中には、その性質や社会政策上の見地、国民感情等の観点から相続税が課されない財産もあるのです。
従たる権利
質権、抵当権等の従たる権利には、相続税は課されません。
具体的には、貸付金債権には、相続税が課されますが、その貸付金の担保である抵当権自体には、相続税は課されません。
抵当権という権利は、貸付金債権という主たる債権に付随する権利であり、それ自体に金銭的価値はありません。
金銭的価値があるのは、あくまでも貸付金そのものだからという訳です。
相続税の非課税財産
相続税法においては、政策的見地や国民感情を配慮して等の理由から一定の財産を非課税財産として定めています。
これは、墓地や一定の生命保険金等、限定列挙となっています。
≪終わり≫