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相続について

未成年者を無許可で養子にした場合

未成年者を養子にするには許可が必要

 未成年者を自分の養子にしようとする場合には、その未成年者の住所地域にある家庭裁判所の許可を得なければなりません。  (民法第798条

 これは、子を喰いものにする人身売買的な養子縁組を禁じる趣旨から設けられている規定だと言われています。

 養子縁組は、あくまでも子の利益を最優先し、子の福祉の為に役立てなければならないのです。

でも許可が不要な場合も

 しかし、たとえ養子になる者が未成年であっても養親になる者、つまり自分又は自分の配偶者の直系卑属を養子にする場合であれば、その養子になる者が未成年であっても家庭裁判所の許可無しで養子縁組をする事が出来ます。

 つまり、配偶者の連れ子や孫を養子にするのであれば、子の福祉に反する事は無いと考えられている訳です。

婚姻していれば成年扱い

 男性は満16歳、女性は満18歳に達していれば、婚姻する事が可能であり(民法第731条)、婚姻した者は、たとえ満二十歳未満であっても成年とみなされます。(民法第753条

 また、満15歳に達した者は、保護者の同意無しに本人の自由意思で養子縁組が出来ます。
民法第797条

 つまり、「婚姻する=満15歳以上」となるので、本人の自由意思で養子になる事が可能となり、且つ、婚姻している者は成年とみなされる為、家庭裁判所の許可無く養子縁組を組む事が可能となるのです。

未成年者を無許可で養子にした場合

 養子になる者が未成年者である場合、家庭裁判所の許可が無ければ、その養子縁組の届出は受理されず、養子縁組は成立しないのが大原則です。

 しかし、何らかの手違い等により誤って受理されてしまった場合は、どうなるのでしょうか?

無許可の養子縁組は取り消しの対象に

 家庭裁判所の許可無しに未成年者を養子にする養子縁組は、取り消しの対象となります。
民法第807条

 この取り消しは、養子本人、養子の実家側の親族又は養子に代わってその養子縁組を承諾した者から家庭裁判所に対して取り消しの請求をする事によって取り消す事が出来ます。

但し、取り消せなくなる場合も

但し、この取り消しの請求は、その養子が成年に達してから6ヶ月を経過してしまうと出来なくなってしまいます。

 また、たとえ成年に達してから6ヶ月を経過していなくてもその養子となった者が改めてその養子縁組を追認(承認)してしまうと、やはり取り消しが出来なくなってしまいます。

 
≪終わり≫

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