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相続について

普通養子縁組の効力_嫡出子扱い

普通養子縁組の効力は?

 普通養子縁組が成立すると、養子は養子縁組届が受理された日から養親の嫡出子として取り扱われる事となります。
民法第809条

 この関係は、たとえ養親が独身であっても同様となります。

 なお、「嫡出子」とは、婚姻関係にある男女間に生まれた子を指します。

 このように養子が養親の嫡出子として取り扱われる事により、様々な法律関係が生じてきます。

家族との関係

普通養子縁組の場合、養子は養親の嫡出子、つまり「親子」として取り扱われる事となり、当然、養親の親や子といった家族とも親族となります。

実親との関係は?

一方、「実親との関係は?」というと、実親との親子関係もそのまま継続され、実親の嫡出子としても身分が維持されます。

もちろん、実親の家族とも親族関係が継続されます。

つまり、養子の立場からみると、法律上の「両親」に該当する者は、実親と養親の2つがあるという事になるのです。
何だか不思議な感じがしますね。

扶養の義務

 祖父母、父母、子、孫といった直系血族及び兄弟姉妹はお互いに扶養し合う義務があります。
民法第877条

 普通養子縁組が成立すると、養親側との親族関係が生じる為、養子と養親側とはお互いに扶養し合う義務が生じる事となります。

実親側との扶養関係は?

 上記で述べたとおり、普通養子縁組が成立しても実親及びその家族との親族関係は継続します。

 よって、普通養子縁組が成立した後においても養子と実親側とは、お互いに扶養し合う義務も継続される事となるのです。

相続

 普通養子縁組が成立すると養親と養子は法律上「親子」として取り扱われます。

 その結果、養親が死亡し相続が発生すれば、当然その養子は「子」として第一順位の相続人になる事となります。

 

実親との相続関係は?

 普通養子縁組の場合、実親との親子関係は断絶すること無く、そのまま継続されます。

 よって、実親が死亡し相続が発生すれば、養子に行った者もその死亡した実親の子として第一順位の相続人になれるのです。
  
 つまり、もし実親と養親とが同時に死亡した場合には、実親と養親の両方から子として相続する事になるのです。

親権

 未成年者は、その父母が親権者となり、未成年の子を保護する事とされています。
民法第818条1項

 では、普通養子縁組が成立した後は、誰が親権者になるのでしょうか?

養親が親権者となる

 普通養子縁組が成立した後は、養親が親権者になり、その養子を保護する事となります。
民法第818条2項

 一方、実親は子に対する親権を失います。

 実親との親子関係自体は継続するものの親権者としての権利は養親に移転するという訳です。

兄弟姉妹との婚姻

 普通養子縁組が成立すると、その養子となった者と養親側の実子は、兄弟姉妹となります。

 通常、兄弟姉妹同士で婚姻する事は出来ませんが、養子の場合は例外があります。

 普通養子縁組の成立により、養親側の実子(甲)と養子(乙)は法律上では血続きの兄弟姉妹となりますが、甲と乙は婚姻する事が出来るのです。(民法第734条1項ただし書き

実親側の兄弟姉妹との婚姻は?

 いくら養子に行ったからと言って、実親側の自分の兄弟姉妹とは婚姻する事は出来ません。

 この点は、原則どおりの取扱いとなります。

≪終わり≫

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