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相続について

非課税財産_公益事業用財産

公益事業用財産の非課税

 宗教、学術等専ら公益を目的とする一定の事業で、その事業活動によって文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与することが著しいと認められる事業を行う個人(人格の無い社団又は財団を含みます。以下同様)が、相続又は遺贈によって取得した財産で、その公益を目的とする事業の用に供する事が確実なものは、相続税が非課税とされています。
相法第12条1項三号

何故非課税に?

 上記のような財産が何故非課税になるか?というと、それは、民間公益事業の特殊性及びその保護育成等の見地からと言われています。

 つまり、公益性及び公共性の高い公益事業を行う人が相続又は遺贈によって取得した財産で、その公益事業の用に供されるものに対しては相続税を課さない事とすることにより、税負担の軽減を図り、その結果、民間公益事業の継続と育成を図ろうという趣旨なのです。

非課税となる為の要件は?

 では、公益事業を行っている個人であれば、どんな場合でも相続税が非課税になるか?というとそういう訳ではありません。

 非課税となる為には、一定の要件を満たす必要があり、それは大きく分けて『人的要件』と『物的要件』の2つに大別されます。

非課税要件_人的要件

 非課税となる為の人的要件とは、その運営している事業内容や運営実態を指します。

〔非課税となる事業〕

 非課税となる事業は、下記のとおりとなります。
   ■社会福祉事業
   ■更生保護事業
   ■学校(小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校及び幼稚園)を設置し、運営する事業
   ■宗教・慈善・学術を目的とする事業
   ■その他公益を目的とする事業

人的要件_非課税とならない場合

 たとえ上記に掲げる非課税となる事業を運営していたとしても次のような場合には、非課税とはなりません。

〔運営者が個人であるとき〕

 その者及びその者の親族、その他その者と特別の関係にある者に対して、その事業に係る施設の利用、余裕金の運用、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給その他財産の運用及び事業の運営に関し特別の利益を与えている場合。
相令第2条一号

 つまり、その運営者自身やその親族、その他特別の関係がある者に対して特別の利益を与えるようないわば『個人生活の用に供されるもの』までをも非課税にはしないという訳です。

〔運営者が人格の無い社団又は財団であるとき〕

 当該社団等の役員構成、その選任方法等の当該社団等の事業運営の基礎となる重要事項について、その事業の運営が特定の者又はその親族、その他その特定の者と特別の関係がある者の意思に従ってなされていると認められる事実があること。
相令第2条二号

 又は、当該社団等の機関の地位にある者又は当該者の親族等、その他これらの者と特別の関係がある者に対して、当該社団等の事業に係る施設の利用、余裕金の運用、解散した場合における財産の帰属、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、当該社団等の機関の地位にある者への選任、その他財産の運用及び事業の運営に関し特別の利益を与えている場合。
相令第2条三号

 つまり、外見上は公益事業を運営している社団等であってもその実態として「特定の者による私物化」が認められるような場合には、非課税扱いにはしないという訳です。

非課税要件_物的要件

 当該公益事業用財産が非課税とされる為には、物的にも非課税たる要件を満たす必要があります。

 これは、当該公益事業用財産の使用状況により判断されます。

〔非課税となる場合〕

 当該公益事業用財産が、「公益の用に供することが確実なもの」として認められなければなりません。

 この「公益の用に供することが確実なもの」とは、次の2つの要件を満たす場合を指します。
 (相基通12-3

   1.相続開始の時において、当該公益を目的とする事業の用に供することに関する具体的な計画
     があること。

   2.当該公益を目的とする事業の用に供される状況にあること。

〔非課税とならない場合〕

 当該財産を取得した者が、その財産を取得した日から二年を経過した日において、なお当該財産を当該公益を目的とする事業の用に供していない場合には、非課税となりません。
相法第12条2項

 この場合、当該財産の価額は、その相続又は遺贈があった日に遡ってその者の相続税の課税価格に算入される事となります。

≪終わり≫

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