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「さて、今回の号外版は『小規模宅地等の特例:二世帯住宅の構造要件の撤廃』についてのお話よ。」
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「二世帯住宅っていうと、例えば、同じ建物内の1階部分に両親夫婦が暮らし、2階部分にその息子夫婦暮らせる構造の住宅のことだったわよね?」
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「そのとおりよ。この間の
号外版では、被相続人が所有している土地等でその被相続人の居住の用に供されていた土地等は、『特定居住用宅地等』として
80%減額の対象になる、という事を話したわよね?」
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「はいですわ。その限度面積が240u⇒330uへ拡大されたのでしたわよね?」
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「そうよ。きちんと覚えていて偉いわね。この特定居住用宅地等の特例というのは、被相続人自身の居住用宅地等だけではなく、その被相続人と
同一生計親族の居住用宅地等も対象になるのだけれど、その居住している建物が、二世帯住宅の場合だと話がちょっと複雑になるのよ。」
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「へぇ〜。どんなふうに?」
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「一口に二世帯住宅って言っても、その構造上大きく分けて2タイプがあるって知ってるかしら?」
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「聞いたことあるわ。確か建物内の独立した区画同士、さっきの例でいうと1階部分と2階部分を建物内部で往来できるタイプと出来ないタイプが
あるのだったわよね?」
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「君、ネコなのに何でそんな事まで知ってんの?」
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「ふん!あなたと違って
韋編三絶
の心構えで沢山の本を読んだりして見識を広げているからよ。」
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「・・・ご立派なネコ様だね・・・」
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「それで、その建物内部で往来できるタイプと出来ないタイプとでは、どのような違いが生じてきますの?」
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「実はこれが大きな違いを生むのよ。例えば、2階建の住宅があって、被相続人である父親が1階部分に居住していて、その息子が2階部分に居住して
いたとするわね。各々暮らしている区画が別個になっているとは言え、建物内部で往来できるという事は、つまりは『同居』しているようなものよね?」
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「そうですわね。」
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「このようなケースでは、その息子は『被相続人である父親の同居親族』に該当するとして、その建物の敷地全体が小規模宅地等の特例対象になるのよ。」
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「なるほど。実質的な『同居』とみる訳ね?」
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「往来できないタイプの場合はどうなりますの?」
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「建物内部で往来できないタイプの場合には『別居』扱いとされて、小規模宅地等の特例対象から外れてしまうのよ。」
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「まあ!随分な違いが生じてしまいますのね?」
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「そうなの。そこで今回の平成25年改正でこの二世帯住宅の構造要件が撤廃されたのよ。」
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「つまり、建物内部で往来できる・できないに拘わらず同じ特例を受けられるようになった、という訳ね?」
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「そうよ。例えば、2階建住宅の1階部分に被相続人である父親が居住していて、2階部分にsの息子が居住していたとするわね。但し、1階部分と2階部分は
完全に隔離されていて、建物内部では往来できない構造になっていたとするわね。」
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「つまり、建物自体は一棟だけれど、父親と息子は『別居』という状態ね?」
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「そうね。この場合、従来では『別居』扱いとされて、その息子が居住している部分に対応する土地等については、特例対象から外れていたのだけれど、
今回の改正では、『同居』扱いとされて、その息子が居住している部分の土地等も特例対象に加えられるようになったって訳。」
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「へぇ。じゃあ二世帯住宅に住んでいる相続人にとっては、すごく有難い話なんだね?」
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「そうね。たとえ親子と言えども互いのプライバシーを守る為に1階と2階を建物内部で往来出来ないタイプにいている二世帯住宅も多いと思うわ。
今後は、そういう二世帯住宅であっても小規模宅地等の特例対象となるので、納税者にとってはとても嬉しい話よね。」
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「確かにプライバシーは大切だもんね。ところで、お姉ちゃんってちょくちょく僕の部屋に入って家探ししてるよね?誰かお姉ちゃんに
親しき
仲にも
礼儀
ありって言葉を教えてあげてくれないかな?」
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「あら、随分な言い草ですわね。神哉とは双子なのだから私達は
一心同体
の間柄ですわよ。神哉のモノは私のモノ、私のモノは私のモノですわよ?
」
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「相変わらず可愛い顔して強欲ね・・・」
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「ところでちょっと疑問に思ったのだけれど、今の話は、2階建住宅、つまり、一般的な『戸建』のケースよね?」
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「そうよ。」
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「これがもし、マンションだったらどうなるのかしら?」
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「どういうこと?」
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「よく資産家の人だとマンションの部屋を複数所有しているケースがあるわよね?例えば、被相続人である父親がマンションを2部屋所有していたとするでしょ。
その内の1部屋には父親自身が居住していて、もう片方の部屋に息子が居住していた場合にはどうなるのかしら?」
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「するどい質問ね!実はこの論点も今回の改正の大きなポイントなのよ。」
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「どんなふうに?」
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「今回の改正では、特例対象となる『一棟の建物』について、区分所有建物の場合とそれ以外の建物の場合とに分けて整備されているのよ。」
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「区分所有建物ってマンションのことですわよね?」
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「そうよ。正確に言えば『建物の区分所有等に関する法律』っていう法律で定義されているのだけれど、一般的には、マンションのことを指すわね。
実は、マンションの場合には、その被相続人が居住している部屋だけが特例対象になるのよ。さっきの例で言うと、父親が居住している部屋だけが特例対象
となり、息子が居住している部屋は、特例対象から外れてしまうのよ。」
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「この改正は、いつから適用されますの?」
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「今回の改正は、平成26年1月1日以降の相続又は遺贈について適用されるわ。」
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「なるほど。確かに一戸建ての建物で1階部分と2階部分とに居住しているのであれば、同居していると言えるでしょうけれど、マンションのA部屋と
B部屋に各々が居住している場合は、同居しているとは言い難いわね。」
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「そうね。だから都心部に居を構えて両親と暮らしたいという場合には、一戸建てタイプを建てて、1階部分と2階部分とに各々が居住するというのが、
節税対策にもなるし、なんと言ってもひとつ屋根の下、親子愛を身近に感じることが出来ていいわよね?」
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「少佐にしては、まともなコメントだね。でもまあ、愛と言えば、少佐と
比翼連理
の誓いを交わしてくれそうな彼氏は、当分見つからないだろうけどね。」
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「むぅ…今に見てなさい!近い内にきっと逆転満塁ホームランを打ちあげてみせるから!」
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「はいはい・・・楽しみに待ってますよ?」
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「ふふふ・・・少佐の満塁ホームランを拝見出来る日が楽しみですわね?
という訳で、今回はここまでですわ。また次回まで、ご機嫌よう。」
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