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「さて、今回のお話しのテーマは、神楽が目の色変えて食いついてくるであろう『離婚時の財産分与』についてよ。」
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「この日が来るのを待っておりましたわ!まさに得手に
帆を揚げるとは、この事ですわね。」
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「というより、並々ならぬ興味を抱いているだけでしょうに・・・」
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「財産分与って何の事?」
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「協議離婚をした場合、その夫又は妻は、相手に対し財産を自分に分け与えるように請求する事が出来るのよ。その請求によって
財産を分ける事を財産分与って呼ぶの。」
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「財産分与って何の為にするのかしら?」
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「離婚時の財産分与の本質は、婚姻期間中に夫婦が協力して築きあげた財産を既婚を機に清算する事にあるわ。」
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「なるほど。婚姻期間中に夫婦が協力して築きあげた財産なのだから、夫又は妻のいずれか一方のものにせず、
その財産を築き上げるにあたっての貢献度合いに応じて分配するって訳ね?」
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「本質的には、そういう意味合いなのだけれど、実際には、離婚する事によって生活に困窮してしまう者に対する扶養料や離婚に責任のある者の慰謝料、場合によっては、
子供の扶養料なども考慮に入れられるケースが多いみたいね。」
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「なるほど。単純に財産を築き上げる為の貢献度だけでは決められないって事だね。」
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「ええ。だから財産分与の話し合いをする際には、相手や自分の財産・収入・年齢・結婚の継続期間・協力の度合い・
子供の有無・離婚の原因など様々な要因を総合的に勘案して話し合いを進める必要があるのよ。」
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「話し合いも何も離婚時に現存する財産は、全て私のモノと決まっているではありませんの。」
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「あなたの業欲ぶりには、地獄の餓鬼も拍手を送るわよ・・・」
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「その財産分与の話し合いっていうのは、いつするのかな?」
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「通常は、離婚が成立する時まで、つまり、離婚届出書を市区町村役場へ提出する時までに夫婦間で協議しておくのが一般的ね。」
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「でも、離婚となるとお互いに感情的にもなるだろうし、上手く協議がまとまらない場合はどうすれば良いのかしら?」
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「財産分与について話し合いがまとまらない場合や相手が病気や行方不明その他の理由で話し合いが出来ない場合には、財産分与を請求する側が、
請求される側の住所地域にある家庭裁判所、又は、当事者双方が合意で定めた家庭裁判所に対し、調停又は審判の申し立てをして財産分与を求める事が出来るのよ。」
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「家庭裁判所となると、何だか揉めそうな予感がしますわね?・・・その調停や審判の申し立てというのは、何時まですればよろしいのですの?」
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「この申し立ては、離婚届出が受理されてから2年以内に限って出来るのよ。申し立てがあると、先ずは調停といって、
夫婦で協力して築いた財産がどれ位あるのか?とか、財産の取得や維持に対する夫婦双方の貢献度など一切の事情を考慮し、
必要に応じては資料を提出して貰ったりして合意に向けて話し合いが進められるわ。」
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「そこでも話し合いがまとまらなかったらどうなるのかな?」
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「話し合いがまとまらず調停が不成立となった場合には、自動的に審判という手続きが開始され、裁判官が必要な審理を行い、
一切の事情を考慮して審判をする事になるわ。」
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「財産分与って具体的にどんな財産が対象となりますの?」
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「自宅等の不動産、預貯金、有価証券、貴金属など婚姻中に夫婦の協力によって築き上げられた財産が財産分与の対象となるわ。例えば、名義が夫婦のいずれか一方に
なっている自宅等の不動産であっても夫婦双方の協力によって得た財産であれば、やはり財産分与の対象になるわ。」
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「なるほど。じゃあ、結婚前から各自が持っていた財産なんかは、財産分与の対象にはならないって訳ね?」
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「ええそうよ。結婚前から所有している等明らかに固有財産と分かるものは、財産分与の対象にはならないわ。また、婚姻期間中に得た財産であっても社会通念上、
固有財産とみられる衣類や装身具、妻又は夫が相続や贈与によって得た財産なんかも財産分与の対象から外れるわ。」
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「いずれにせよ、財産分与によってがっぽりと財産を得る為にもその協議の場では、財産構築に対する私の貢献度をハッスルして主張しなければなりませんわね。」
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「あなた、頑張って働くとか財産構築に貢献する気はあるのかしら?」
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「勿論、ありませんわ!」
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「じゃあ、財産を分与して貰えないわね・・・」
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「・・・えっ!・・・」
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「働かざる者喰うべからずって訳ね。ま、当然よね?という訳で今回はここまで。次回は、裁判によって許される離婚、
いわゆる裁判離婚についてのお話しよ。ではまた次回!ばいばい!」
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