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「さて、前回は、夫婦が話し合いの上で離婚する『協議離婚』についてお話ししたけれど、今回は、判決によって許される離婚、
いわゆる『裁判離婚』についてお話しするわね。」
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「裁判離婚ってどんなものなのかしら?」
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「通常、離婚をする場合には、先ずは、夫婦間で話し合いをして合意の下で離婚するわ。これが協議離婚というものね。そこでもし、話し合いが合意に至らなければ、
家庭裁判所において『調停』という手続きをとり、家庭裁判所が間に入って話し合いをするの」
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「それでも話し合いがまとまらなかったらどうするの?」
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「調停がまとまらない場合には、家庭裁判所に審判を申し立てることよって、家庭裁判所の審理により、離婚の審判を下して貰うという手続きも可能なのだけれど、
この審判離婚は、家庭裁判所がなかなかやらないケースが多いみたいだわ・・・」
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「もし審判でも決着がつかなかったら?」
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「そのときは、いよいよ裁判離婚って事になるわ。つまり、裁判離婚っていうのは、離婚手続きにおける最終手段って事になるわね。」
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「“裁判”というからには、裁判所に訴えを起こすのでしょうけれど、どこの裁判所に訴えれば良いのですの?」
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「通常は、夫婦の共通の住所地域にある地方裁判所に訴えを起こす事になるわ。」
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「その訴えを起こす理由は、どんな理由でも構わないのかな?」
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「それは興味ありますわね。私は将来、大金持ちの男性と結婚したらさっさと離婚して財産のみを頂いて悠々自適な生活を送るというライフプランがありますの。
だからその理由とやらには、並々ならぬ興味を感じますわ・・・」
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「おそらくあなたが企んでいるような理由では、裁判離婚の訴えは、認められないと思うわよ・・・」
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「そのとおりよ。民法上、裁判離婚の訴えを起こす事が出来る理由は限定されているのよ。」
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「それは、どんな理由なのかな?」
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「民法上挙げている理由は、1.不貞行為 2.悪意の遺棄 3.3年以上の生死不明 4.強度の不治の精神病 5.その他婚姻を継続し難い重大な事由
の5つよ(民法第770条)」
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「1の『不貞行為』っていうのは、つまりは浮気の事よね」
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「そうよ。浮気は、立派な裁判離婚の訴訟理由になるわ。」
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「そんな・・・私、愛する夫から秋の扇
みたいな事をされたら、悲しくて生きていけませんわ・・・」
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「どうしてよ?あなたが愛しているのは、金銀財宝でしょ?」
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「それもそうですわね。」
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「2の『悪意の遺棄』ってどういう事かな?」
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「これはね、例えば、夫が家を出たり、反対に妻を家から追い出したりして意図的に同居せず、生活の協力扶助をしない、つまりは“棄てられた”場合の事よ。」
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「3の『3年以上の生死不明』というのは、何ですの?」
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「これは、相手が悪いという訳ではなく、色々な理由で結婚の実質が失われている場合には、離婚を認めようという趣旨よ。
4の『強度の不治の精神病』も同様の趣旨よ。」
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「5の『その他婚姻を継続し難い重大な事由』っていうのは、その他諸々の理由って事かしら?」
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「そのとおりよ。例えば、重態の配偶者を看病しないとか、酷く殴りつけるとか、病人に労働を強いるといった虐待行為やその事実も無いのに泥棒をしたとか浮気をした
と言い掛かりをつけるといった重大な侮辱といった行為も裁判離婚の訴訟理由になるわね。」
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「ちゃんとした理由さえあれば、裁判を起こせば離婚が認められますの?」
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「いいえ。そうとは限らないの。民法第770条の第2項では『裁判所は、裁判離婚の理由があるときでも一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、
離婚の請求を棄却することができる』として、裁判所の権限を強くしているの。」
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「なるほど。例えば、夫が浮気をしたとしても妻がこれを許していたとか、それはもう何十年も前の話だとか、子供が居て長年の結婚生活を続けており、夫も更生を誓っているといった事情があると、
裁判所は、離婚の判決を拒むかもしれないって事ね?」
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「そういうこと。」
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「離婚の判決が下りたら、通常どおり離婚届出書を市区町村役場の窓口へ提出するんでしょ?」
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「そうよ。協議離婚の場合は、離婚届出書が市区町村役場の窓口で受理されて初めて離婚が成立(民法第764条)するのだけれど、
裁判離婚の場合は、離婚の判決が下りた時点で離婚が成立したものとされるのよ。」
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「それにしても裁判離婚が可能理由には、私が計画している理由が含まれておりませんわね・・・」
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「それは、どんな理由なのよ?」
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「ホントは私が犯した犯罪なのだけれど、証拠を捏造して夫が犯したものとして、それを理由に裁判離婚を訴えようという虹色プランですわ。」
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「証拠を捏造した時点であなたが逮捕されるわよ・・・」
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「はっ!!」
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「どうやら神楽の虹色プランは、はかなくも消え去ってしまったようね。という訳で今回はここまで。次回からは新しいテーマである『親子』
について色々とお話をしていくわね。ではまた次回!ばいばい!」
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