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「さて、婚姻関係に無い男女間に生まれた子を何と呼ぶか知ってるかしら?」
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「確か、『非嫡出子』と呼ぶのではなかったかしら?」
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「正解!この非嫡出子の取り扱いは、おおよそ次の3つに分けられるわ。」
- 父母のわからない子
- 母が自分の子だと認知した子
- 父も自分の子だと認知した子
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「1の父母の分からない子というのは、つまりどこかに置き去りにされた子という事ですわよね?
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「親であれば、我が子には、舐犢の愛
をもって接すべきだと思うけれど、置き去りにされてしまう子がいるのが現実なのよね。悲しいわ・・・
」
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「確かにそうね。出生届もされぬまま置き去りにされてしまった幼児のように父母が不明な場合には、姓も籍も別個に新しく作る事になるわ。
当然、両親が不明な訳だから、誰からも扶養されず、遺産の相続も出来ない事になるわ。」
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「それは悲しい事だね・・・でも、もし両親が判明すれば、扶養して貰えたりするんでしょ?」
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「両親が判明し、その両親が『自分達の子です』と認めれば、その両親の籍に入り、扶養して貰え、相続も可能になるわ。」
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「2のケースは、母親は誰なのかはっきりしているけれど、父親が不明って事ですわね?」
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「そうよ。通常、母子関係の場合は、出産の事実があれば母子関係が成立すると考えられているから、母が出生届をすれば認知したものとされるわ。
」
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「この場合は、当然母親が扶養したりするんでしょ?」
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「ええ。母の籍に入り、母の姓を名乗り、母の親権で保護され、母の扶養を受け、母の遺産を相続するという事になるわ。」
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「でも、父親が不明なのだから、父親に扶養を求めたり、父親の遺産を相続する事は、出来ないわね・・・」
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「残念ながらそうなるわね。そこで、この2のケースの子を父親が『自分の子です』と認めると3のケースとなるわ。」
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「父親が判明すれば、その父親に扶養を求める事が出来る訳ですわね?」
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「勿論、扶養を求める事が出来るわ。ただ、父親に認知されてもその子の姓や籍は、母親と同じままで、母親の親権によって保護されるのが一般的だわ。」
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「父親の遺産相続なんかは、どうなるのかな?」
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「父親に認知されれば、その父親の遺産を相続する事は出来るわ。でもその子の父と母は、婚姻関係に無い間柄だから、その子の身分は非嫡出子となるのよ。」
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「非嫡出子だと、相続分に何か違いが生じますの?」
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「以前だと非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の2分の1とされていたのよ。」
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「まあ!同じ父を持つ子同士なのに非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の半分しか無いだなんて、とっても理不尽ですわね!
とりあえず神哉を殴っておきませんと気持ちが収まりませんわ!」
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「なんでそこで僕が殴られなきゃいけないのさ・・・」
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「でも安心して。この『嫡出でない子の法定相続分は、嫡出である子の法定相続分の2分の1とする』という民法の規定については、『憲法違憲である』という判断が、
平成25年9月4日に最高裁判所において下されたのよ。」
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「なるほど。じゃあ、今現在は、非嫡出子と嫡出子の法定相続分に差異は無いって事なのかしら?」
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「そのとおりよ。平成25年9月5日以後に開始した相続からは、非嫡出子と嫡出子の法定相続分に違いは生じない事となっているわ。」
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「ほっ・・それを聞いて安心しましたわ。でも、折角だから神哉の事は殴っておきますわね♪」
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「ちょっとちょっと、『殴っておきますわね♪』じゃないよ、まったく・・・ホントに理不尽な姉だね・・・」
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「とんだとばっちりを受けそうな神哉の事は、さらりと無視しておいて今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」
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