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「私、この際だから両親に黙って超大金持ちの家に養子に入ろうと思っておりますの。」
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「ちょっとちょっと、何が『思っておりますの。』だよ。
焼野の雉子、夜の鶴
の如く親の愛情を一身に浴びて育てて貰ったくせに親不孝な姉だね、まったく・・・。きっとその内バチが当たるよ?」
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「そうね、その内ハレー彗星が脳天を直撃するかもしれないわね。ところで確か、養子縁組って満15歳に達した者であれば、自分の自由意思で養子縁組を
成立させる事が出来るのよね?」
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「ええ、そのとおりよ。満15歳に達した者は、親権者等の同意無しに本人の自由意思で養子縁組を行う事が出来るわよ。」
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「じゃあ、私はもう17歳だから問題ありませんわね。ふふふ・・・」
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「年齢的には問題無いけれど、その心構えに大問題があるっての・・・」
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「うるさいですわね。ちなみに満15歳に達していない場合にはどうなりますの?」
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「養子になろうとする者が15歳未満である場合には、その本人単独の意思では養子縁組を成立させる事が出来ず、法定代理人が本人に代わって養子縁組の承諾をする事になるのよ。
(民法第797条)
」
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「その法定代理人って誰の事を指すのかな?」
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「そうね、一般的には、親権者又は未成年後見人を指すわね。」
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「親権者って通常は、両親がなるわよね?でも親権者とは別に『監護者』という存在もあるのではなかったかしら?
」
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「よく知っているわね、そのとおりよ。親権者っていうのは主に法律的に子を代表する者を指し、監護者っていうのは、実際に子の生活の面倒をみる者を指すわ。
」
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「へぇ〜。なるほどね。」
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「もし親権者や未成年後見人の他に養子になろうとする者の父母で監護者として定められている者がある場合には、その監護者の同意を得なければ養子縁組
は成立しないから注意が必要よ。」
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「それは何故ですの?」
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「例えば、父母が離婚し、母親が親権者となり、経済力のある父親が監護者となった場合において、親権者である母親だけの意思で養子縁組がなされてしまうとその後、
その子の面倒は誰がみる事になるかしら?」
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「ええと・・・養親ですわよね。」
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「そうか。養親が監護者となることによって、父親の監護者としての監護権が一方的に奪われてしまうという不合理を防止する為ね?」
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「正解♪その為に養子になろうとする者の父母で監護者となる者が別に定められている場合には、その監護者の同意を得なければ、
養子縁組を成立出来ない事とされているのよ。」
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「もしさ、監護者の同意無しに養子縁組がなされてしまったらどうなるの?」
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「その場合、その同意していない監護者は、その養子縁組の取り消しを家庭裁判所へ請求する事が出来るわよ。でも、監護者がその養子縁組を追認(承認)してしまうと、
もはや取り消しの請求は出来なくなってしまうわ。(民法第806条の3)」
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「ふ〜ん・・・。満15歳に達したら自由に養子縁組を行えるのよね?だったら、その養子となった本人が満15歳に達してから改めて承認したら
やっぱり取り消せなくなるのかしら?」
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「そのとおりよ。取り消せなくなるわ。養子となった者が満15歳になった後6ヶ月を経過してしまった場合も同様に取り消しの請求が出来なくなるわよ。」
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「もしさ、お姉ちゃんみたいな小悪人に脅迫されて監護者がイヤイヤながら同意をさせられた場合はどうなるの?」
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「まあ!小悪人だなんて失礼ですわね。私はインターポールに追いかけられる程の大泥棒に憧れておりますのに!」
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「詐欺や脅迫によって監護者が同意をさせられた場合には、家庭裁判所に対し取り消しの請求をする事が出来るから安心して。でもね、詐欺にあった事を知ってから6ヶ月を経過した場合、又は、脅迫を逃れてから6ヶ月を経過してしまうと、
取り消しの請求は出来なくなってしまうから注意よ。」
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「取り消しの請求が出来るなら安心だね♪」
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「また、たとえ6ヶ月を経過しなくても監護者が改めてその養子縁組を追認(承認)してしまうと、やっぱり取り消しの請求は出来なくなってしまうから注意してよ」
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「やっぱり女子だったら、十手を振りかざしたインターポールの捜査官に『待て〜い!』って追いかけられるシーンに憧れますわよね?」
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「憧れないわよ・・・」
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「銭○のとっつぁんみたいな捜査官に追われるより、ヨ○様みたいな韓国イケメン俳優に追いかけられる方がいいに決まっているでしょ。
という訳で今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」
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