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「あれ!僕達随分と久しぶりの登場だよね?」
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「まあ!ホントですわね。久しぶり過ぎてあなたのお顔も随分と二次元的にのっぺりとしてきたのではなくて?
」
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「そりゃ僕達みんな画像だもの、のっぺりしてるでしょうに・・・。少佐は大分目尻の小皺が増えてきたんじゃない?
」
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「ぶっとばすわよ!久しぶりに顔を合わせたのにのっけから小憎らしいことを言ってくれるわね。
」
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「ねぇ、神哉。唐突な話しで恐縮なのですけれど、あなたは、でんでん虫級にのろまでおバカさんなのだから、
将来お嫁さんを貰う事は出来ないと私は思いますのよ・・・」
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「ムカッ!何が『思いますのよ。』だよ。憎たらしい事を言う姉だね、まったく・・・。我が姉ながら言葉には気を付けて欲しいね。
舌の剣は命を絶つって言うでしょ。
」
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「そうよ、神楽。気を付けなさい。こんなのと一緒にされたらでんでん虫に失礼よ。」
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「いやいや、そこじゃないんだってば・・・」
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「たとえお嫁さんを貰う事が出来ないとしても、私という類い稀なる超絶美人姉がいるから天涯孤独になる事はないでしょうけれど、もし
、神哉が天涯孤独の身で三途の川にダイビングするハメになったら、神哉の相続財産はどうなりますのかしら?」
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「確かに、通常、人が亡くなるとその亡くなった者、つまり被相続人に帰属する財産は、相続人が相続し承継されるけれど、
世の中には天涯孤独の者や親族達と長年音信不通だった為、相続人となるべき者が容易に確定出来ない場合も珍しくないでしょうね。」
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「でも、だからと言って放置しておくと被相続人の財産が宙に浮いてしまい、とても困った事になってしまわないかしら?
」
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「そのとおりね。だからそういう場合には、相続財産を法人とみなす事としているのよ。」
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「法人とみなす?」
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「ええ。被相続人の財産を相続すべき相続人を容易に確定出来ない場合には、民法の定めによりその被相続人の財産を法人とみなして
管理する事としているの。(民法第951条)」
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「そう言えば、聞いた事があるわ。確か管理人が選任されるのよね?」
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「あら、よく知っているわね。そのとおりよ。被相続人の財産が法人とみなされた場合には、家庭裁判所は、その財産に利害関係を持っている
者又は検察官の要求によって財産の管理人を選任するのよ。」
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「ふ〜ん。じゃあ、その管理人が具体的に相続財産を管理する訳ですわね。」
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「そうよ。法人とみなされた財産の具体的な管理は、この選任された管理人が執行することとなり、公告をして被相続人に対する債権者や相続人を探す
作業を行う事になるわ。」
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「でもさ、財産の管理人が一生懸命に相続人となるべき者を捜索しても見つからなかった場合には、その財産はどうなってしまうのかな?」
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「相続人が一人もいない事が確定した場合には、家庭裁判所は、相当と認めるときは、被相続人と特別の縁故関係があった者、これを『特別縁故者』と
呼ぶのだけれど、この特別縁故者に残存する財産の全部又は一部を分与することが出来るのよ。」
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「特別縁故者というと、被相続人と特別な縁故があった者で、相続人が全くいない事が確定した際、請求により家庭裁判所から
相続財産の分与を受ける事が出来る者のことよね?」
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「まあ♪だったら、天涯孤独な超大金持ちのおじいさんの家に潜り込んで、孫娘のふりをして一緒に生活していれば、特別縁故者として
相続財産を分与して貰えますわね。」
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「ダメに決まっているでしょう。あなたみたいなのがいるから家庭裁判所が裁量するのよ。」
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「もし、特別縁故者として財産の分与を受けたらさ、ぞの分与を受けた財産に対する税金ってどうなるの?」
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「黙っていれば分かりませんでしょ?クックックッ・・・」
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「ダメよ。特別縁故者として被相続人の財産を分与された者は、その被相続人から遺贈によって財産を取得したものとみなされて、
相続税が課される事となるわ。(相法第4条)」
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「ちぇっ、つまんないですわ・・・。その財産の時価っていうのは、相続開始時点の時価で評価されますの?」
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「いいえ。特別縁故者に対する財産分与については、その分与された時の時価により評価されるのよ。財産の事情によっては、相続開始時の時価と分与
された時の時価が大きく乖離してくるケースも有り得るでしょうね。」
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「例えば、相続開始時点ではまだ未公開だったけれど、相続開始後に公開した株式を特別縁故者として分与された場合には、
相続開始時の時価と分与された時の時価が大きく異なるかもしれないわね。」
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「そっか!健気に療養介護に献身する家政婦って設定で潜り込めば、特別縁故者として認めて貰えますわね。」
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「だからダメだって言ってるでしょ。設定の問題じゃないっての・・・」
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「お金が絡むとホントに諦めが悪い娘ね。困ったものだわ。という訳で今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」
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